桜が満開の季節に入園したひよこ組の子ども達は、慣らし保育が終わり、保育園生活に少しずつ慣れてきた様子が伺えるようになりました。
入園初日から泣いていたAちゃんは、抱っこをしてみても、足をバタバタさせたいたり、歌を歌ってみてもなかなか泣き止まず、何かAちゃんが泣き止む方法はないかなぁと考えていました。そこで、Aちゃんを箱車に乗せ、そのままりす組(2歳児クラス)の部屋へ遊びに行くと、今まで泣いていたAちゃんは泣き止み、しばらく周りのお友だちの事を見つめていました。りす組のお友だちも近付いて来てくれ「Aちゃんー♪かわいいー♪」など色々と話しかけてくれました。始めは、お兄さん達の積極的な声掛けに少し驚いた表情をしていたAちゃんですが、今まで不安そうだった表情から、少し和らいだ表情になっていました。お昼ご飯の時間が近付いて来たので、ひよこ組に戻ると、Aちゃんは思い出したかのようにまた泣き出してしまいました。そこへ園内を散策していたお兄さん達がたまたまひよこ組の部屋まで来てくれました。車で遊ぶ子、お友だちと玩具を取り合う子、友達と一緒に大笑いをする子など、とても賑やかになった空間の中で、今度はAちゃんだけでなく、他の子も泣くのをやめ、お兄さん達の遊びを見始めました。
その翌日も、あいにくの雨だった為、どのクラスも室内で過ごすことになり、他のクラスのお友だちが、ひよこ組に遊びに来てくれました。すると、昨日に続き、ずっと泣いていたAちゃん、B君は泣き止み、ボールを触って遊んだり、つかまり立ちをして棚の反対側にいるお兄さん達の事を眺めたりしていました。
このエピソードを見て、子ども達は、自分に近い存在(目線の近いお兄さん・お姉さん)が笑っていれば、安心し、落ち着くことが出来るということを改めて実感しました。
木月保育園では、幼児組は常に異年齢児保育を取り入れ、クラス関係なく生活し、年上の子は年下の子の見本となり、年下の子は年上の子を見て真似をして、成長をしています。そして、異年齢児保育をすることにより、年下の子ども達だけでなく、年上の子ども達も「自分が笑ったら泣き止んでくれた!」「手を握ってくれた!」など自信に繋がります。目に見える成長だけでなく、子ども達の心の成長なども育てていくのだと思います。
乳児組では、これまでなかなか異年齢の関わりを持つことが出来なかったのですが、今年は出来るだけ多く異年齢児保育を取り入れていこうという思っています。
鈴木 翠