夏のような暑さが毎日続いています。
園庭の虫たちも活動を始め、りすぐみ(2歳児クラス)の子どもたちも虫カップ(ゼリーのカップ)を持ってアリをつかまえるのに夢中です。初めはアリを触る事が出来なかったAくんは幼児組のお兄さんのアリを見せてもらっていました。何日かすると自分で虫カップを持ってお兄さんたちの後を追いかけ自分のカップの中にアリを入れてもらっていましたが、毎日見ていたからか時には逃げ足の速いアリに四苦八苦しながら上手につかまえられるようになりました。
Aくんの虫カップは沢山のアリたちでいっぱいです。Bくんはカップの中身を「すごいねー」っと言いながら見ていました。やがてBくんは自分の虫カップを取りに行くとAくんの様子を真似し始めました。 逃げ足の速いアリをやっとつかまえても逃げられてしまったり強くつかまえすぎてカップの中で弱ってしまうアリ。 Bくんのがっかりしている様子に気づいたAくんがBくんの虫カップの中にアリを1匹とって入れてあげたのです。 Bくんは「ありがとう。」と本当に嬉しそうでした。 それから2人は「こっちにいるよー」っと声を掛け合いながら一緒にアリをつかまえはじめました。
Aくんは幼児組のお兄さんにアリをとってもらい嬉しかった経験をBくんに伝えていったんだと思います。 一緒につかまえることで楽しさや喜びの共有をし友情が芽生えた瞬間でした。また、アリをつかまえることで巧緻性の発達を促す事ができ、この能力を乳児組から鍛えることは子どもの知能への発達にも繋がっていきます。
2人の楽しさが他の子どもたちにも伝わり、今では虫カップを持ってアリをつかまえる子どもたちがいっぱいです。みんなで「いたよー」「こっちだよー」っと声を掛け合いながら楽しそうな子どもたちの様子を見ると、大人には入れない子どもたちの世界を伸ばしてあげたいと思います。
斉藤 操