木月保育園のブログ「小さなもみじの物語」

『創造力の宝庫』(1歳児あひる組編)

2016.02.13

 2月に入り、りす組の部屋に移行したあひる組。今までとは違い、ワンフロアーで、視野の広がった環境の中で、子ども達は、初めはテンションが上がり、はしゃぎまわっていました。でも、事前に一足先にりす組の部屋で過ごしていた数名の子ども達の手慣れた生活習慣に魅了された他の子ども達は、その様子を見ながら少しずつ生活の流れを覚えていっている様です。
 この時期の一歳児は、周りの人達の行動を模倣(真似)したい気持ちが大きく芽生え、出来ないながらにも、やってみようと試みるのです。と同時に、人の真似ばかりではなく、それをヒントに、自分なりの創造力を駆使して、大人が考えもつかないような発想を生み出すのです。
 ある日の事です。A子ちゃんが、ままごと玩具で、キッチンセットを叩いているのです。何度も繰り返すので、『おもちゃが壊れちゃうからコンコンするのやめようね!?』と注意しようとしたのですが、本人は何だか真剣な表情でしたので、そっと横から覗いてみると…アイスの模擬玩具を2つくっつけた中に、チェーンリングを入れ、それをコンコンキッチンに叩きつけ、それを両手でパカッと割ってお茶碗に入れたのです。
 もお、おわかりですよね!?Aちゃんは、卵を割ってお茶碗に入れ、卵ごはんを作っていたのです。まるで本当に卵を割っているかのようです。思わず写真に収めてしまいました。

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 観察力の細かさと、そこにある玩具で創造力を膨らませる力は、大人には忘れてしまった遠い昔の、ピュアな心の現れなんだと思います。行動だけではありません。相手の気持ちにも創造力を使い、理解しようとするようにもなる『創造力の宝庫』の時期なのです。今までは、自分の思いの通りに行動したかった気持ちから、『我慢する』『気持ちをコントロールする』事が出来るようになってくるのです。ついつい、大人が『〇〇の時は、こおするんだよ!?』『これはこおなんだよ!?』と、意見を押しつけてしまいがちですが、子ども達は、個々の創造力で、奇想天外・大人にも考えつかない感情をもっている事を念頭におきながら、お互いの気持ちのやり取りを経た上で、いろいろな経験や友達との関わりを持たせていく事が、今後、子ども達が、あらゆる困難や新しい経験に出会った時に、自分で考え、悩み、クリアしていく事に繋がっていくと、考えています。。
 まだまだりす組での生活は始まったばかりです。子ども達の気持ちの成長を受け入れながら、創造力を存分に発揮していけるように見守っていきたいと思っています。

中谷美帆

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