移行してからあっという間に1ヶ月が経ち、すっかりあひる組の環境に慣れたひよこ組の子どもたち。今では自分で出したものをきちんと片付けたり、エプロンやおんぶ紐は一人でつけることができないので「やって」と先生にアピールしてきます。入園当初はハイハイや擦りばいだった子どもたちも1年でこんなに立派に成長したのかと日々驚きを隠せません。
最近ではこんなことがありました。おままごとコーナーで一人でAちゃんがタオルを綺麗に端と端を合わせて畳んで遊んでいます。それをじっと反対側から見つめるBちゃん。どうやらBちゃんもやってみたいようです。しばらくするとAちゃんは畳んだタオルを置いたまま人形を取りにいきました。するとBちゃんはすぐにAちゃんが居た場所で、自分も見よう見真似で畳み始めます。そこに人形を持って帰ってきたAちゃんは自分が畳んだタオルをBちゃんが使っているので怒って取り返そうとしますがBちゃんも取られまいと大きな声をあげて引っ張ります。ここで先生が二人の間に入り、「Bちゃん、使いたかったらかしてだよ」と声をかけ、Bちゃんは先生の言う通りに「かして」とアピールして無事にタオルを使うことができました。
よく「大人は子どもの手本」と言いますが、このように子どもたちは大人の姿を手本とするだけでなく、子ども同士での遊び方も手本としているのです。ここではAちゃんがしていたタオルを畳むという遊びがBちゃんにとって新鮮で自分もやってみたいという想いから模倣をしたんだと思います。反対にAちゃんはおそらく家でお母さんがしている動きを模倣し、園でも行っていたんだと思います。このように子どもが模倣するものは様々あり、それは何も大人だけでなく子ども同士の遊び方ひとつとっても子ども自身からしたら全て「手本」なんだと思います。こうした子ども同士での遊びやかかわりを大事にしつつ、自分も子どもたちの「手本」となっていることを改めて肝に銘じて私自身も共に成長していきたいと思います。これからあひる組になり新しい子どもたちがたくさんできる中、今の子どもたちがどのような「手本」になれるのか楽しみです。
岡本 万太郎