何を言っても最初に「いやだ!」だったイヤイヤ期の頃から、少しずつ大人の言うことを理解できるようになったり、自分から何かができるようになったりしてきているうさぎ組さん。まだまだわがままも盛りだくさんですが、少しずつ社会性の芽生えも感じるようになっています。周りのことや、出来事なども「ちゃんと見ているんだなぁ」と思わせてくれることもあります。自分の言葉で表現できることが増えて、ときには周囲を和ませてくれるようなひとことを言ってくれたりもしているんではないでしょうか。
1月から移行が始まりすっかり幼児組の仲間入りを果たし、自分たちで好きな遊びを見つけ楽しむようになっている子どもたち。制作コーナーではハサミやのりを自由に使い楽しむ子も少なくありません。ある日、Aちゃんの背中がふと目にとまりました。Aちゃんはすごい集中力で手を動かしながら紙を切っていました。りす組からハサミを制作で取り入れ少しずつ練習してきているので、手の動かし方や力のれ方は大分上手になってきています。しかし、ハサミを好きに使える喜びからなのか、ただただひたすら紙を細かく切り続けるAちゃん。そのそばで一つ上のきりん組のお姉さんたちも制作をして小物入れを作ったり鞄を作ったりしています。その姿を見て、ちょうど一年前はお姉さんたちもただただ紙を切って楽しんでいた様子が思い出されました。その次の日も、同じようにAちゃんはハサミで紙を切っていました。その隣では、お姉さんたちも制作をしています。Aちゃんはお姉さんたちの作ったものを見て、のりも持ってきて細かく切った紙をお姉さんに渡して「やって」とお願いし作ってもらったものを嬉しそうに持ち歩いていました。
嬉しそうなAちゃんの顔を見て、幼児組の異年齢保育ならではの光景だと思いました。きりん組のお姉さんたちも、今のぞう組の子どもたちにやってもらいながら少しずつ上手になっていき、下の子たちに教えて行けるようになってきたと思います。これは、遊びだけでなく保育園生活の中でも色々な場面でも行われていて、給食のときには配膳を行ってくれるお兄さんお姉さんの姿を見て、おままごとのごっこ遊びで楽しんだりなど、日々子どもたちの力は受け継がれているんだと思います。
これから、1年後に、Aちゃんがどんなことを受け継ぎ、下の子にどんなことを教えてあげられるようになっているかとても楽しみです。
蛭崎 晶弘