木月保育園のブログ「小さなもみじの物語」

「誕生ケーキ各種承ります」(2歳児りす組編)

2016.04.09

 これは、りす組になる少し前、3月の終わりころのお話です。
 Aちゃんは人見知りをしてしまう子で、同じ部屋にいてもなかなか担任以外の人とは関わろうとしない子でした。こちらから声をかけても、チラッとこちらを見て、そのままぷいーッとどこかへ行ってしまう。そんなことが私とは続いていました。Aちゃんの遊びの邪魔をしてしまってはならないと思い、私も少し声をかけるだけで、焦ることはないとも思い、それ以上は特にオムツ替えなど以外積極的にかかわろうとはしませんでした。
 3月の誕生会の日のことです。誕生会も終わり、外で遊んでいるとAちゃんが砂場で遊んでいました。特に声掛けなどもせずに見ていると「せんせ、これBちゃんとCちゃんとDちゃんのケーキなの」と言って見せてくれました。まさか!Aちゃんから声をかけてくれるとは思ってもみなかったので、若干アワアワしながら「そうなんだね、じゃ、みんなに声をかけてみようよ」と私が言うと、Aちゃんはお友だちを呼んできました。お友だちたちはそのことを理解して一緒に遊んだり、その場ですぐに違う遊びをし始めたりしていました。別の遊びをし始めても、Aちゃんは誕生会の主役だった子たちにケーキを渡すことが出来てご満悦の様子でした。
 この時期のお友だちは、はたから見ていると同じ遊びをしているように見えて、実は個人個人で全く別のことをして遊んでいるということがまだまだある年齢です。この時も同じ砂場で遊んでいても別のことをしていたり、同じ遊びをしていたり…。この時はAちゃんの目的は誕生会の主役の子たちにケーキを作ってあげること。私に知らせてくれた時点で達成感は感じていたと思いますが、そのことを知らせてくれたAちゃんの思いを受け止め、その先につなげてお友だちとのかかわりを作っていくことで“お友だちと一緒に遊ぶ“ということがどんどん深まっていきます。
 りす組になった今、このように少しずつ周囲のお友だちとのかかわりを楽しむことが、これからの生活で増えてくるかと思います。お友だちとのかかわりを通して楽しい思い出を増やしていけたらいいですね。

一柳 翔平

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