2歳児のりす組に入った時のこと。保育室に入るなり、「ドーンドーン!カッカッカッ!!!」の大きな声が聞こえてきました。あれ?幼児ぐみさんが遊びに来ているのかなと声のする方を向くと、そこにはなんと可愛いりす組の子どもたちが、先生に作ってもらったおもちゃの太鼓を使って猛練習中。ちょっとでもリズムが違うと、お客さんの友だちから「違うよ!!」と厳しい声が...木月保育園では、毎年7月の上旬に「盆踊り」を開催しています。今年もそこで5歳児のぞう組さんが、一生懸命太鼓を叩く、素敵な姿を披露してくれました。お披露目するまでには、かなりの練習を熟してきたぞう組のこどもたち。その様子と、盆踊り当日の素敵な姿を見た、りす組の子どもたちは、憧れの気持ちを抱いて、保育室で真似っこしていたのでした。
「真似っこ」と言えば、もう一つ。またまたりす組での出来事。朝「おはよう!」と保育室に入ると「お当番さーん、来てください!!♪チャンチャンチャンチャンチャチャチャチャチャーン♪」 今度は、先生の真似っこです。先生役の子、お当番役の子、それを見守る周りの子。担任の先生の口調そっくりに真似るものだから、見ていて可笑しくなってしまいます。このくらいの歳になると、よくある光景ですよね。 ママごとの時には、ママそっくりな口調で熱演する姿もよく見られます。
「真似っこ」はいわゆる「模倣」この「模倣」が乳、幼児期において、とても大切と言われています。1歳頃から少しずつ模倣が始まるのですが、模倣する相手がどんな人なのか、どんな気持ちで自分に接してきているのか分からない場合、子どもは模倣しないそうです。相手の気持ちが分かって初めて「模倣」が成り立ちます。つまり「相手の気持ちを感じ取ること」を「共感性」と言うのですが、「共感性」はコミュニケーションにおいて重要な役割を果たしています。模倣ができる、ということは、「共感性」が発達しているということを意味し、人とのやり取り関係が順調に発達しているということです。そして、2歳頃より模倣遊び(ごっこ遊び)が始まります。他者を意識し、他者に合わせることの他に、日々の出来事等をあとになって模倣表現したり、生活場面のみたてあそびをしたりすることで、イメージする力が培われていきます。社会性、協調性、想像力、どれも人間としてとても大切なことです。こういったことから、「模倣」は乳幼児期の成長には欠くことのできない重要なこととなっています。
先日1歳のあひる組に入った時のこと。こちらでも、「ドーンドーン!カッカッカッ!!」の音が聞こえてきましたよ!(^^)!
眞弓 知子