木月保育園のブログ「小さなもみじの物語」

「大切な関わり」(0歳児ひよこ組編)

2016.09.24

 ひよこ組の子どもたちの中で最近よく見られるようになった行動があります。それは、「物を渡す」という行動です。玩具をとってきては「あい!」と言って渡してくれます。渡して一緒に遊んでもらいたいアピールをしている子もいれば、渡したら満足してその場からいなくなる子もいます。私はこのやりとりがとても重要に感じています。そのことをあひる組の子どもたちのやりとりを見て実感したのです。
 木月保育園ではひよこ組、あひる組が異年齢保育といって一緒に過ごす時間も多く取り入れています。先日、ひよこ組の部屋にあひる組の子どもたちが何人か遊びに来ていました。そのときにクラスに一つだけある太鼓の玩具を出しました。取り合いになるかな?と思いながらも出してみることにしました。すると、あひる組のAちゃんBちゃんCちゃんの三人が集まってきました。最初にAちゃんが使っていると、周りの友達も使いたがりました。私は「順番で使ってね」とだけ声をかけて見守っていました。すると、3人の子どもが円になって向きあって座り、最初に使っていたAちゃんが「はい!」と言ってBちゃんに渡しました。渡されたBちゃんも嬉しそうでした。その後はきちんとCちゃんにも貸してあげていました。貸してあげる子も貸してもらった子が嬉しそうにしているのを見て嬉しそうでした。もちろんその後は取り合いになることもありましたが、Aちゃんがその場を仕切って順番に太鼓をまわしていく姿も見られました。私は友達同士で貸借りをする姿を見て驚きました。そのやりとりが出来るようになるには0歳児からの経験が重要だと思います。あひる組の子どもたちはひよこ組のときに物の貸し借りの基礎を経験しているからこそ身についています。 まずは大人との関わりが大切でそこから友達同士での関わり方に繋がっていきます。
 今意識して行っているのは大人が子どもと物を貸借りするということです。子どもが玩具を渡してくれたら「ありがとう」と伝えたり、こちらから子どもに「ちょうだい」と言葉をかけたりしています。子どもたちは「ありがとう」と伝えると嬉しそうな表情を見せてくれます。渡すことで相手が喜んでくれるということが知れたら良いなと思います。ひよこ組の子どもたちの中で物を渡すのがブームになっているのは相手の反応を見たいのです。まずは大人がそういった貸借りのやりとりをしていくことで、友達との関わり方が身についくるのだと思います。そのことを意識しながら子どもからの投げかけを大事しながら受け止めていきたいです。

 

廣瀬 美穂

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