木月保育園のブログ「小さなもみじの物語」

「みんなでできた~!!」(フリー編)

2016.10.22

 ある朝の自由時間に2歳児クラスの子どもたちと遊んでいた時の出来事です。その日は久しぶりにわらべ歌を始めてみました。
 Aちゃんに「久しぶりになべなべそこぬけしょうか~」と誘い、Aちゃんとなべなべそこぬけを楽しんでいたところ、他にもわらべ歌が大好きなBちゃんもすぐそばに来て「私もやる~」と次に一緒にやりたいとアピール!「ちょっと待っていてね~次一緒にやろうね。」と声をかけたのですが、少しすると、BちゃんとC君の歌う声が聞こえ始め次の瞬間大声で「できた~!!」と。振り返ると、BちゃんとC君は私が行くまで待ちきれず、その場で「なべなべそこぬけ」を2人だけでやり、最後の「帰りましょ~」のフレーズでくるりと回り切り背向かいになることに成功していたのでした。上手に背向かいになることができたことを「できたよ~」とうれしそうに私に報告していたのでした。この声を聞いた他のお友達もその場にやってきたので、「今度3人でやってみようか?3人とも手は絶対離しちゃだめだよ。<帰りましょ~>で通るところはC君とDちゃんのところだよ」と抜け出るポイントだけ伝え、そばで見守ることにしたのです。Bちゃん、C君、Dちゃんは3人で手をつなぎ元気に歌い始めました。抜け出るところのC君とDちゃんのところに「そ~こがぬけたらかえりましょ~」の歌に合わせてBちゃんは上手に潜り込んできたのでした。「やった~!!できた!!」と大喜びの3人と私。その後そばにいたAちゃんも「私もやる~」というので4人にも挑戦することになったのです。すると、私がだまっていてもみんなでAちゃんにさっき教えた「手は絶対離してはいけないんだよ。BちゃんとC君の横を通るんだよ」と教えていたのでした。その後、5人でも大成功したみんなでした。6人のお友達も集まりましたが、室内では輪が広がりすぎてしまい危険だと思い、一時中断しましたが、5人のお友達と上手に背向かいになることができたことが大満足でほかの遊びに移動していました。
 生活面でも遊び面でも発達の著しい2歳児クラスですが、ごっこ遊びができるようになってくるのも、このころの特徴です。観察力や認識力、運動能力が発達して、生活の中で体験したことを自分の体で表現して、楽しむことができるようになります。まだまだ、平行遊びも多いし、取り合い、ケンカも絶えませんが、少しづつ友達との関わりが増え、簡単なルールを守ったり、作ったりしながら友達と遊ぶのが楽しくなるころなのです。今回みんなで楽しんだ「なべなべそこぬけ」の遊びで守るルールは簡単です。①手を離さないこと②歌に合わせて体を動かし最後のフレーズで決まったところを通って抜けていく。③手を離さず背向かいになることができたら大成功。
 2人より3人が難しく、人数が増えれば増えるほど、気持ちを一つにして協力しあう必要です。子どもたちには今、気持ちを一つにそして協力し合う力が育ってきていることが感じられました。どんな遊びにでもいえることだと思いますが、大人が立ち入ってすべてに介入するのではなく、そのヒントだけ探して、あとは子ども同士に任せてみるというのもこの年齢の子どもたちに適した方法です。ちょっとした子ども同士のトラブルを重ねながらも、それによって自分を抑えること、主張すること、集団生活でのルールやマナーを学び、社会性を少しずつ身に付けていくのですね。そして、「できた~!!」の感動が友達の輪を広げていくのですね。何人までの輪が成功していくのか?楽しみです。

近野 典子

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