先月の話になってしまいましたが、木月保育園の子ども達が楽しみにしていた運動会が開催されました!残念ながら雨の為2日順延してしまいましたが、保護者の方々に応援して頂くことが出来て、子ども達の表情はいつも以上にキラキラ輝いていました!
幼児組では4月からの運動遊びや自由遊びの時間の中で、鉄棒やマットなどの運動遊びを楽しんできました。しかし運動会の1ヶ月くらい前から子ども達の練習に一段と力が入ったように思います。特に年長さんは、最後の運動会!その中で私が印象に残った2人のお子さんのエピソードを紹介します。
1人目はAちゃん。Aちゃんは、1ヶ月前は前回りが出来ませんでした。腕の力で身体が鉄棒に持ち上がらなかったのです。苦手意識もあるのでしょう。年長の女の子が鉄棒を盛んに練習する中、自由遊び中は鉄棒に近寄りもしなかったのです。運動会をきっかけに、保育士や友達に応援されて、なんとか身体が鉄棒に持ち上がるようになりました。でも次は怖くてクルンと身体を前に回せません。恐怖のあまり、お布団のような状態になってしまうのです。しかし、大丈夫!大丈夫!と皆に励まされ自力でクルンと回れる様になったのです!運動会直前には腰にアザを作りながらも頑張って練習して当日には立派に前回りを披露することが出来ました。運動会後も、Aちゃんは鉄棒の練習をしています。皆んなから刺激を受けて、なんと逆上がりの練習をしています。
2人目のBくんは、なかなか跳び箱が跳べませんでした。ホールに跳び箱を出している日もあったのですが、保育園では練習する様子はありませんでした。ところが運動会の数日前…「5段跳べるようになった。」と、お父さんと報告してくれたのです。園庭に跳び箱を出すと、ピョンと綺麗に5段の跳び箱を飛び越えたのですビックリ!Bくんの保護者にお聞きすると、なんとお家の方と一緒に、お休みの日にわざわざ跳び箱がある施設まで出かけ、練習して跳べるようになったとのこと。Bくんは、運動会でも見事5段の跳び箱を跳ぶことが出来ました。すっかり自信のついたBくん。来月の生活発表会では、この楽器をやるんだ!と新たな目標を持っているようです。
紹介したのは2人だけですが、他の子ども達も手の皮が剥けるまで鉄棒を頑張って練習し、皮が剥けて痛くなったから縄跳びを練習するんだ!と毎日頑張っていました。Bくんのように保育園だけでなく、休日にお家の方と一緒に練習した子も多かったのではないかと思います。私は年長児の担任ではありませんが涙ぐましい努力を重ねて練習をする子ども達を真近で見て応援することが出来ていたので、運動会当日は子ども達の晴れ姿に胸が熱くなってしまいました!
こうした目の前の出来ないことを、自分で考えたり工夫しながら挑戦し、出来た!という喜びや達成感を沢山幼児期に体験することは、将来的に「やり抜く力」を育てるそうです。「やり抜く力」は大人になっても必要な力で、世界的にも成功者に必要な力の1つとして注目されています。やり抜く力を持つ子どもは、自ら取り組む意欲が高く、色々なことに挑戦したり、自分でやり遂げたり、課題に取り組むことを楽しめるのだそうです。しかし難しい課題に直面すると、子どもは出来ない!嫌だ!イライラする!という投げ出したい気持ちになります。そう言った時は、特に幼児期には身近な大人がしっかり受け止めてあげるパートナーとなり、サポートする環境を用意してあげることで「やり抜く力」は育つそうです。結果ではなく努力を褒めたり、失敗談を話したりして失敗から立ち上がるサポートをすると良いそうです。Aちゃんは、出来なかった鉄棒の前回りが出来たことで自信につながり、また逆上がりという新たな目標に取り組んでいます。Bくんは、保護者の方にしっかりサポートして頂くことで、途中で投げ出さずに跳び箱をマスターしたのだと思います。2人の中には運動会の目標を達成して「やり抜く力」が芽生え育ち始めていることでしょう。
「やり抜く力」は、子どもが将来生きて行く上で、とても大切な力だと思います。身近な大人代表として、子ども達の「出来た!」を応援しながら一緒に沢山積み上げて「やり抜く力」を育てて行きたいと思います。
まずは来月の生活発表会!子ども達の「出来た!」の体験が増えるように私もサポートがんばりたいとおもいます。
中澤 明日香