あひるぐみの子どもたちは、1月中旬より4週にわたって数名ずつ、りすぐみへ移行が始まりました。移行したお友だちは、りすぐみのお友だちと一緒に生活する中で、ちょっぴり緊張していますが、お兄さんお姉さんの動きを真似しながら、着脱、排泄、食事など頑張る姿が多く見られました。その中でも、食事に対してとても意欲的になったAちゃんのエピソードをお伝えしたいと思います。
Aちゃんは、元々野菜など苦手な食べ物が多く、苦手なメニューを見ては「いらない!」と怒ってしまい、Aちゃんにとって給食の時間は楽しい時間とは言い難い時間でした。
りすぐみへ移行をしてからは、おかわりをしたい時は、お皿を持ち配膳台にいる職員へおかわりをもらいに行きます。りすぐみのお兄さん、お姉さんがおかわりをもらっている姿を見て、Aちゃんは強く憧れをもったようです。おかわりをしたいけど、苦手なメニューを食べないとおかわりができないため、モヤモヤしていたAちゃんでしたが、「食べてみる!」と言うと、苦手だった野菜を食べる事ができました。職員たちにたくさん褒めてもらい、念願のおかわりをもらう事ができました。Aちゃんの頑張っている姿を見てとても嬉しく思いました。
今回、Aちゃんは、おかわりを自分でとりにいきたいという強い気持ちから、苦手な物を少しずつ克服し、食べる事ができるようになってきました。「今日の給食はなんだろうね。」などのやりとりも増え、Aちゃん自身、給食が楽しみな時間になってきたようです。
しかし、中には中々食べられないお友だちもいます。食べ物の好き嫌いがでてくるという事は味覚が発達してきた成長の証でもあり、子どもたちにとって好き嫌いはつきものとも言われています。苦手な食べ物を食べるよう促しても、子どもたちはさらに苦手意識もつき、食事が楽しくない時間となってしまいます。私は、子どもたちの苦手なものを克服するポイントは「楽しい」という印象をもってもらうことだと思います。あひるぐみでは、苦手な子どもへはものすごく少量を提供し、なめるだけでもかまいません。少しでも口へ運ぶ事ができたら、たくさんほめ、一緒に喜び、少しでも食べる事ができたという達成感をあじわっています。
食事の時間が子どもたちにとって楽しい時間になるよう今後も関わっていきたいと思います。
百々 麻美