木月保育園のブログ「小さなもみじの物語」

「好きこそ物の上手なれ」(2,3,4幼児組編)

2017.03.11

 保育園の園庭の大島桜が咲き、春の訪れを教えてくれる季節になりました。木月保育園の幼児組では、2月から年長のぞう組が就学に向けてのクラス保育開始の為に幼児フロアから抜け、幼児フロアには2歳児りす組が新たに加わりました。最初は緊張していたりす組の子ども達も、この1ヶ月で楽しい遊びや落ち着く場所を見つけ笑顔が沢山見られるようになりました。迎える側の年中きりん組・年少うさぎ組も今までぞう組に教えてきてもらったことを一生懸命りす組に教えてあげたり、お当番活動を頑張る姿が見られます。この1ヶ月で自信もついてきて、すっかり頼もしくなりグンと成長した姿が見られ担任としては大変嬉しく思っています。今回は、そんな新しい幼児組で行った制作の話をしたいと思います。
 2月は、折り紙で雛飾り作りを行いました。木月保育園の幼児組の制作は習熟度別に行っています。横割りの年齢クラスごとに作る物が決まっているのではなく、簡単、普通、難しいの3レベルから自分の作りたい物を自分で決めて作ります。今回は、クラスで1回折りを経験したりす組。年長児レベルの物に挑戦して上手に折るうさぎ・きりん組が居るので、レベルごとに折る物に大変頭を悩ませましたが、なんとか3レベル用意しました。制作が始まって、りす組のAちゃんに「難しいが作りたい!」と言われました。Aちゃんが制作が好きという話を担任から聞いていましたが、どのくらい折れるか分からなかったので「まずは少し難しいを折ってみようか?」と誘い一緒に折ることにしました。この少し難しいも保育雑誌には年少の3月に折るレベルの物として紹介されているので、なかなか難しいものです。しかしAちゃんは頑張って自分1人で折ることが出来ました。作り上げたAちゃんが「難しいを作りたい!」と改めて言ってくれたので、再び一緒に挑戦しました。やはり少し難しいようで、保育士や隣で折っていたきりん組のお姉さんに教えてもらったり手助けしてもらうこともありましたが、頑張ってお雛様と三人官女を完成させていました。途中何度かめげそうになっていましたが諦めずに頑張ったAちゃんに、すごいね~本当に頑張ったね~と褒めると嬉しそうに笑っていました。
 そんなAちゃんの姿を見て『好きこそ物の上手なれ』のことわざを思い出しました。制作の好きなAちゃんは、もしもクラス保育なら皆んなと同じ簡単な物しか折れなかったかもしれません。でも習熟度別に行うことにより、得意な制作は年中が折る物にも挑戦できます。挑戦し完成させたことでAちゃんの自信につながり、ますます制作が好きになったのではないかと思います。そう考えると、子どもの発達をしっかり見ることの重要性を感じました。
 また折り紙や制作は、手先の器用さ・巧みに指先を使う能力である巧緻性を発達させ、平面的な紙を立体物に組み立てるという構成力を伸ばし、コミュニケーションや創造力を高めることが出来るそうです。指先への様々な刺激を与えることで、巧緻性は鍛えられます。巧緻性を鍛えることは、脳の発達に大きく影響し、知能も高められるそうです。
 折り紙などの制作や手先を使った遊びを、Aちゃんのように好きだったり得意な子には、挑戦したくなるような少し難しい物を用意してあげ、苦手な子には好きになってもらえるよう色々とはたらきかけをしながら、幼児組の子どもたちに沢山経験させてあげたいと思います。

 

中澤 明日香

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