3月末のある日のこと。まだ、りす組になる少し前のお話です。朝の保育の時間にいつものようにお部屋に行くと、当時まだあひる組だったAちゃんとBちゃんが泣いていて、パートの先生のそばに座っていたり、抱っこされたりしていました。朝のお父さん、お母さんとの別れが悲しくて泣いているようでした。近くに行き、手を伸ばしてみると、Aちゃんはプイッとそっぽを向き、Bちゃんはスッと歩いて私のところへ来ました。Bちゃんに「悲しかったの?」と声をかけると静かにうなずき、それ以上は何も話しませんでした。しかし、私のひざの上に座ったBちゃんの表情は少し戻ったように見えました。りす組のお部屋に戻ってからもAちゃんはパートの先生に抱っこされて、そばを片時も離れませんでした。Bちゃんはお部屋に戻ってからはおままごとや絵本などを読み遊んでいました。Aちゃんが抱っこから離れたのは担任の先生がクラスに戻って来てからでした。Bちゃんとは信頼関係を築けてきているが、まだ私とAちゃんとの間に信頼関係がきちんとできていなかったことを改めて知る機会になりました。また、Aちゃんと当時のあひる組の担任の先生との信頼関係の深さを感じました。
子どもとの間に信頼関係を築くことが出来ると、子どもたちは見守られているという安心感を持って毎日を過ごすことが出来ます。保育士が認めてくれるという安心感の中で子どもたちはさまざまなことに挑戦しようとします。Bちゃんは他の日でも私の前でいろいろなことをしてくれます。それは、信頼関係をAちゃんと比べて築くことが出来ているからだと思っています。
最近Aちゃんは日中の活動中に笑顔で過ごせるようになりました。少しずつですが信頼関係が深まっていることを感じ、私もうれしくなってきました。Aちゃんだけでなく、クラスみんなのお友だちと関係を築き楽しい思い出を築いていきたいと思います。
今年一年よろしくお願い致します。
一柳 翔平