さわやかな風に温かい日差しの中、少し汗ばむくらいに戸外遊びを楽しむ子どもたちの姿が見られます。気持ちのいい季節になりましたね。
そんなある日の園庭でぞう組さんたちがA君とB君、それぞれが中心となって2グループに分かれて楽しく鬼ごっこをしていたときのことです。A君のふとした一言からB君と言い合いが始まったのです。A君がB君に「C君は仲間じゃないよ」と言ったことからB君は「C君は仲間だ」と怒りだしてしまったのです。そしてB君は「うそつき」と言い、A君は「うそなんかついていないよ」と、お互いの気持ちは高まっていきます。しばらく見ていきましたが、二人の気持ちは引くことなく盛り上がっていく一方で一緒に遊んでいた子たちも集まってそれぞれが好きなことを言い出してしまったので、詳しく話を聞いてみました。
するとお互いに別々のグループで鬼ごっこを楽しんでいたが、C君が間違ってA君にタッチをしてしまいA君はC君に対して「C君は仲間じゃないよ」と言ったそうです。そこからけんかが始まってしまったというのです。確かにB君はC君と一緒に遊んでいて、A君もB君もお互いに別のグループで遊び始めたことは理解できていました。そしてC君との関係性についてお互いに間違ったことは言っていません。なのになぜ言い合いになってしまったのでしょうか。
もちろんC君が間違えてタッチをしてしまったこともありますが、それは、A君もB君も「僕の」仲間と言わなかったことからお互いのC君への関係性を主張し勘違いを生んでしまったと思います。大人なら会話の流れや雰囲気から察することが出来ます。しかし、年長さんといえまだまだ成長途中です。自己中心的に周りの友達や状況を考えてしまうので今回のような勘違いが生まれてしまったのだと考えられます。
これから、色々な友達と関わっていき経験を重ねていくことで、コミュニケーションの能力や相手の気持ちを考える基盤づくりにつながっていくと思います。保育園生活で身につけた力を、次に小学校での生活につなげていけるよう子どもたちを見守っていきたいですね。
蛭崎 晶弘