先日、幼児ぐみへ入った時のエピソードです。
年長クラスの男の子AくんとBくんが、カプラで巨大な線路を作って遊んでいました。Bくんは、途中でお迎えがきてしまったので、残りをAくん1人で作りあげていました。無事完成して喜んでいたところで、年少クラスのCちゃんが、かけあしで横切ったところ、足をカプラにぶつけてしまい、完成したカプラが壊れてしまいました。Cちゃんは、その瞬間どうしていいかわからず、泣き崩れてしまいました。Aくんの表情を見ると、ものすごく怒っていたので、どうするかな?と思いましたが、Aくんは、Cちゃんの元へ行き、「ここは、カプラをしているから、走ったらダメなんだよ。わかった?」と声をかけてあげていました。「明日Bくんがきたら、ちゃんと謝ってね」とも伝えていました。元々、ケンカっ早い性格で、お友だちともよくケンカをしてしまうAくんですが、今回は、年下のお友だちに対しても、とても優しく声をかけていたことに私はとても嬉しく思いました。Aくんに「えらかったね」と声をかけると「まあね」と大人のように笑っていました。
木月保育園では、年少クラスになると、年中、年長児と一緒に同じフロアで過ごします。異年齢で過ごす事によって、子どもたちは、お互いから学び合います。年下の子どもは、年上の子どもの活動を見て学び、憧れを抱き、年上の子どもは、年下の子どもに世話をし、教えることによって自信をもち、思いやりの心を育てます。子どもたちは、これらを通して社会性と協調性を自ら学び、小さな社会を築き上げていきます。
今回Cちゃんは、職員に全く同じことを言われるより、Aくんの言葉の方が心に響いたと思います。なんでも大人が介入するのではなく、一歩離れて見ることで、子ども自身の成長を感じる事ができたエピソードでした。
百々 麻美