9月になり、だんだん涼しくなってきました。暑い夏を元気いっぱい過ごしてきた子どもはぐぐっと大きくなってきましたね。
私がフリー担任なので、色々なクラスに入り保育をするのですが、子どもたちが大きくなったなぁと感じるのは、”おしゃべり”がすごく上手になったことです。1歳児クラスのある女の子は、半年前には「ドウゾ」と言って、その子の持っているおもちゃを私に手渡してくれ、こちらも「ありがとう」と返すと女の子は”うんうん”と頷く、”どうぞごっこ”というような遊びをひたすら繰り返して楽しんでいました。
それから少し経ったある時、その子が絵本の読み聞かせを聞いている時、絵本の中に出てくる動物を見て、「ネコ!」「カバ!」とおしゃべりしていました。こちらも「そうだね、ネコだね〜」「カバだね〜」と何度も絵本の読み聞かせを楽しんでいました。
それからまたある時、いろんな形のブロックをいろんな形の穴が空いている箱の中に入れるおもちゃで遊んでいました。全部のブロックを入れ終わると、「モウイッカイ!」と自分の意思を言葉にして、お話しをしていました。
この前は、絵本を読みながら、「ドンナイロガスキ? キイロ〜 キイロノイロガスキ〜♫」と上手に歌っていました。
今、この女の子はどんどん言葉を耳から吸収して、それを何気ないおしゃべりの中で、言葉を楽しんでいる時なんだと思うのです。ちいさい時から、おしゃべりを楽しんだ子どもは”言葉の力”をたくさん持っていることが多いです。聞く力、話す力など色々な力がある中で、特に大事な力は言葉の語彙力がある子です。言葉の語彙力がある子は、言葉の本当の意味がちゃんとわかってる子です。難しい言葉を知っているのではなく、物事をわかりやすく相手に伝えられる子が語彙力がある子だと思います。
大人の言葉をわかりやすく言い換えて伝える事や、子どもの話す言葉を上手く拾えるかどうかで、子どもとの会話がすごく楽しくなりますよ。私たち大人は子どものおしゃべりをたくさん聞いて、一緒におしゃべりを楽しみたいと思います。
宮川 盾夫