子供たちが全力を出した運動会も終わり、秋を飛び越して冬のような寒さになったり、雨が続いたり、台風が来たり、なんだか落ち着かない天候が続いていますね。
さて、今年の夏、りす組さんに新しいお友達ができました。それはカブトムシ!!最初は怖がっていた子どもたちも日が経つにつれ、カブトムシに触れるようになったり、カブトムシのエサであるゼリーを取り替えたり、元気のないカブトムシを心配したり…子ども達を成長させてくれたお友だちでした。
8月下旬頃に土の中から卵のようなものが出てくると、子ども達は大喜び!でも、それが本当に卵なのかどうか職員は分からず、様子を見ていました。
そして9月の中旬に最後の一匹が死んでしまい、今までカブトムシが入っていたケースが空っぽの状態になったのですが…数日後、何やら土の上にうねうねと動く白い物体が…!そう!カブトムシの幼虫が順調に育っていたのです!
「カブトムシの赤ちゃんがいるよ!」と子ども達に声を掛けると、ケースの周りに沢山の子ども達が集まり「見せて見せて!」「カブトムシの赤ちゃんなの!?」と言って子ども達は大興奮!「大きくなったら、かっこいいカブトムシさんになるんだよ」と教えると「早く見たい!」「ゼリーあげなきゃ!」と目をキラキラさせていました。
こうなったら、来年子ども達に成虫になったカブトムシを見せてあげたいと思い、幼虫の育て方を調べ始めると、先輩職員が「幼虫はペットボトルで育てられるよ」と教えてくれました。そうなったら行動あるのみ!給食の職員からペットボトルをもらい、幼虫を育てる為の土を準備し、早速赤ちゃんの引っ越しを開始しました。
シャベルで土を入れることを説明すると、真剣な表情で一人1杯ずつ上手に土を入れていきました。半分程土が入った所で、幼虫の登場です。素手で触ったら弱ってしまうので、虫用トングで幼虫を取り出すと子どもたちのテンションは最高潮に!「きゃー!」と叫ぶ子が沢山いました。「赤ちゃんをお家に入れるね。その次はみんなでまた土をかけてあげるよ」と言って幼虫をペットボトルに入れ、子ども達に土を入れて貰うと、あっという間に赤ちゃんのお引っ越しが完了しました。
2~3歳の子ども達も「生きている」や「死ぬ」という言葉は使い、生死を感じることはできます。しかし、そうだとしても、大人のように生死を理解しているわけではないと言われています。その為、りす組で飼っていたカブトムシが何匹も死んでしまっても「悲しい」という感情は生まれますが、本当に死を理解していない為、楽しそうにお墓を作るという行動をしてしまったりするわけです。(実際、楽しそうにお墓を作っている姿が見られました)
今のりす組さんのお友達には「生」や「死」を理解することはできませんが、私たち人間もカブトムシと同じ生き物であり、この世に生まれてきて、周りから愛されて育っていき、これから大人になっていくんだよ、ということ。だからこそ、自分のお父さん、お母さん、おじいちゃん、おばあちゃん、ご先祖様を大事に思って過ごして行こうね、と子ども達に伝えて行きたいと思います。
来年の夏、子ども達が大好きなかっこいいカブトムシが見られると良いですね。
田所 未帆