木月保育園のブログ「小さなもみじの物語」

『助け合う心!』(3,4,5歳児幼児組編)

2018.02.03

 朝晩の冷え込みが厳しくなり、布団から出るのも覚悟が必要な時期ですね。木月保育園の園庭は1月の雪が溶け、その水分が霜柱となり地面を押し上げています。子どもたちも凸凹した地面を不思議そうに見ていたり、自然からも科学的な興味に繋がっていますね。寒さを利用して、色水をバケツに入れ一晩放置することでカラフルな氷を作るなど、楽しい季節ならではの遊びを取り入れたいと思います。
 木月保育園では普段、0歳児クラス、1歳児クラス、2歳児クラスと345歳合同の縦割り保育で日々過ごしています。(0歳児クラスは1歳児クラスと発達などの様子を見ながら異年齢保育ををすすめています)また、土曜日は異年齢保育として、全クラス一緒に過ごしています。
 これは、ある土曜日に起きたことでした。土曜日は0歳から年長までの子がいるので、年上の子が年下の子の手伝いをしてあげていたり、年下の子が年上の子に憧れ真似をしていたり、お互いにいい影響を与えてる姿が見られていました。
 遡ること4月・・・あの頃は主に年長さんが年下の子の手伝いをしていました。園庭遊びの時に転んで泣いている子がいると助けに行き、水道の方に連れていってあげたり、午睡の時に使う幼児組のベッドから自分のマットやタオルケットを外して持っていくのが難しい年中さん、年少さんのお手伝いをしてしてあげるなど、みんなを助けてあげていました。この頃はまだ年中さん、年少さんは自分の遊びを楽しむ事に夢中になっていましたが、季節が変わる毎に年長さんへの憧れが見られるようになり、いつしか幼児組の子がみんなで優しく遊んであげたり手伝う姿も見られるようになってきました。
 そして時は流れ1月・・・大きな変化が起きるのです。そう、年長さんの午睡がなくなるのです。(4月からの就学に向け、生活リズムを整えるためにお昼寝無しですごすのです。)
 そしてついにその日がやって来ました。『じゃあ、シーツ取りに行こうか!』と声をかけ幼児と2階に行きました。その日は年長2人、年少2人。しかし、年長は午睡をしないのでシーツは必要無し!と言うことで、お部屋で乳児組とお留守番になりました。いつもは年長さんが先頭をきって進むのでそれについていっていた年少の子は前に人がいないので自信なさげに進んでいました。知っている道のはずなのに何度も振り返り、『こっち?』と聞くこと6回、やっとのことで、ホールのベッドに着きました。ベッドからシーツをとろうとすると、いつも年長さんに言っているあの言葉が聞こえてきました。『出来ないなぁ』そう、これまでは年長さんが手伝ってくれていたのですが、今日は頼りになる年長さんがいないのです。どうするのかな??と見ていると、1人の子が『よし、頑張ろう!』と気合いを入れて自分の力でやっていました。今までは年長さんにやって貰うとすぐに並び、友だちのお手伝いする姿があまり無かった年少さんでしたが、自分のが終わった瞬間、もう1人の友だちの所へ行き『手伝おうか?』と聞いていました。『うん』と返事を貰うと2人で協力してシーツを取っていました。その最中も『これ大変だよね~』と話していたり、『こうしたら取れるよ』と教えたりしていました。シーツが取れると2人でベッドを持ち上げ片付けも完璧にしていました。
 その姿はまるで、年長さんが4月から年少さんにやってあげている姿でした。自分が出来なくて困っていたことを助けて貰ったこと。それが出来るようになったとき、出来なくて困っている人を自分が助けてあげようと思う気持ち。それはきっと大人からの言葉だけでは伝えきれないものです。子どもの心の成長は子ども同士の関わりの中で学ぶことが多いのですね。
 4月になると、みんな1つクラスが上がりお兄さんお姉さんになります。子どもたちは変わっていきますが、助け合って成長していく姿はどこまでも続いていきそうですね。

 

鈴木 辰徳

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