木月保育園のブログ「小さなもみじの物語」

「お店屋さんごっこを通して得られた力」(3,4,5歳児幼児組編)

2018.03.03

 毎年幼児組では、子ども達主体でお店屋さんごっこが開催されます。お店屋さんごっこは作っている人の気持ちや売る人の気持、お金のやり取りで欲しいものを買う事が経験のできる一つの遊びを発展させたものとして組み入れています。今年も12月に子ども達とどんなお店を出店するか話し合いが行われました。話し合いでは、おうちの人と行っているお店の名前が面白いほど出てきました。いち早く手をあげたA君は「ドンキー」と名前をあげました。「アッ僕も行ったことある~」と共感の声が。Bちゃんは「グランツリー」「いいね~」「色々なものが売っているよね~」と子どもの頭にはお店屋さんごっこのお店を探すというより自分の好きな行きたい所がどんどん浮かぶようで発言が止まらなくなってしまいました。その結果、今年は「おもちゃ屋さん」「ゲーム屋さん」「アトラクション屋さん」に決まりました。どのグループもぞう組のお友達がリーダーに立候補し、リーダーシップを発揮していました。話についていくきりん組のお友達の横で、あまり状況が理解できていなそうなうさぎ組のお友達がいましたが、この時期には異年齢児の上手な関わりができていて、あまりよくわかっていないうさぎ組のお友達の事を怒るわけでもなく、品物作りや小物作りのやりかたがわかっているきりん組のお友達やぞう組のお友達がしっかりと教えてあげていたのです。
 一つのお店の様子を例としてあげてみましょう。「おもちゃ屋さん」の様子です。「ロケット」「ぶんぶんこま」「手裏剣」を作って売ることに決定したおもちゃ屋さんでしたが作り方のよくわからないうさぎ組さんはなかなか進みません。教えてもらいながら頑張り始めるものの、やはりうさぎ組のお友達の集中は続きません。「僕、もう疲れちゃった~」と言い始めるC君に「もういいよ。後はぞう組がやるから」とぞう組のお友達は言っていました。見ていると早く仕上げる方法をぞう組のお友達は見出していました。D君E君がロケットの羽部分作成班。F、G君はロケットの窓作り班。そして、そのほかのお友達で組み立てをしながら本体部分作成。乾かす箱を用意しながらどんどん作業を進めていくと早い!早い!流れ作業状態の効率の良さというのでしょうか??あっという間にいくつものロケットが乾燥待ちの状態にしあがっていたのです。
 その後、約1か月の間、それぞれのグループで色々なものを作ったり考えたりしていました。丁度、ぞう組のお昼寝がなくなる時期でもあったので、他のクラスの寝ている時間を上手に使っている姿も見られました。「このゲーム楽しいかな」「これ作ったら買ってもらえるかな~」等と何度か保育士に相談もありましたが、ほとんど子ども発信のアイデアで、保育士は少しアドバイスをしただけでした。日がたつにつれどんどんお店屋さんごっこへの期待が膨らみ商品や準備物が増えていることが感じられました。
 お店屋さんごっこの準備はぞう組さんの力をかなり借りましたが、お店屋さんごっこ当日の販売ではきりん組さん、うさぎ組さんも負けていませんでした。「いらっしゃいませ~」「安いですよ~」「まだありますよ~」「はい、おつりです」と声を出し大はりきりのみんなでした。作ったり、売ったり、買ったりとお店屋さんごっこのねらい通りに楽しむ姿が見られたひと時でした。
 子どもが友達の様子を観察し模倣しながら、一緒に遊ぶ喜びを味わうことは、社会性の発達を促し、より豊かな人間理解へとつながっていきます。また、子ども同士で遊ぶ体験を重ねることにより、創造力を発揮しながら、長時間にわたって組織的な遊びを豊かに展開していくようになるのです。そして、友達と共に過ごすことの楽しさを十分に味わうことが重要なのです。色々な経験を通し成長していく子ども達の姿、どのように変化していくのか、楽しみです。
 毎年お店屋さんごっこの後に流行るお財布作りとお金作りですが、今年はうさぎ組のお友達を中心に流行りました。きっとお金のやり取りが楽しかったのでしょう。カラフルな手作りお財布の中に手作りのお金を入れてニッコリしているうさぎ組さん。おうちにも持ち帰っているかな~

 

近野 典子

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