1年間ひよこ組を見てきました。4月生まれから10月生まれまで月齢差はありますがみんな元気で楽しく、明るいクラスでした。そんな子どもたちと過ごす中、印象的なエピソードがあります。A君は車好きで室内ではいつも車や電車を走らせて遊んでいます。園庭では三輪車よりも手押し車が大好きでよく遊んでいます。始めの頃は手押し車で園庭中をお散歩。デコボコ道も太鼓橋のトンネルも潜って笑っていました。しかし時が経つにつれて手押し車を自らの車の様にしていました。アスレチック滑り台や砂場に行き、手押し車を放して遊んでる間に取られそうになると遊びよりも手押し車を優先する姿が見られるようになりました。
ただ手押し車で遊んでいた頃と手押し車と一緒に遊んでいる今。ここには大きなA君の成長があります。前者ではA君が手押し車で遊ぶ関係だったものが視野が広がり、後者は手押し車在りきで他の遊びをするようになっています。
子どもの遊びは興味あるものや好きなもので遊んでいるのが基本です。しかしその遊びも時が経ち、友だちと取り合ったりすることで視野が広がり成長していきます。この成長の延長としてごっこ遊びがあります。ごっこ遊びは複数の相手と適したおもちゃや環境が必要になります。A君は今、手押し車と他の遊びを自分で体現しています。これから少しずつ会話もできるようになり、少しずつ友だちと遊ぶようになり、それらを重ねるごとに遊びが発展して行きます。
1年は長いようで短いですが子どもたちの成長を見るととても大きく長い時間だと思います。これからみんながどんな風に成長して行くのかとっても楽しみです。
岡本 万太郎