進級おめでとうございます。新生活が始まり、子どもたちはひとつ大きくなったことの喜びを感じながら、いつも以上に張り切って生活しています。
さてさて、そんなきりん組の子どもたちですが、昨年の秋ぐらいでしたでしょうか。お道具箱に入っている女の子のお絵かき帳をのぞいてみると、そこにはプリンセス、プリンセス、プリンセス…。とてもファッショナブルなプリンセスがお絵かき帳の中で輝いていました。他の子のものも見てみると、アンパンマンなどのキャラクターだったり、自分の顔やお友だち、家族の顔、虹、アイスやチョコレートなどのお菓子、いちごやぶどう、りんごなどのフルーツ。そして、ひたすら線を描く子や、ページを塗りつぶしてみたりしている子もいて、思い思いにお絵かきを楽しんでいました。イメージを膨らませながら、好きな絵が描けるようになったことの成長を感じながらも、個々によって描くものも違いますし、絵から子どもたちの心理状態を読み説けるのではないかと思い、調べてみました。
絵の色使い・・・色は大人でも心理状態を表す指針といわれており、子供でもその例外ではありません。お絵かき帳の中は、様々な色で溢れています。明るい綺麗な色を使っていることもあれば、時には、暗い色、一色で塗りつぶされていることもあります。
《一般的に言われている色による感情の現れ》
•黒→恐怖・不安・発散できずに抑えられた感情
•ピンク→幸せな時に表れ、人や動物に対しての優しい気持ち
•赤→活動的で心身ともに健康だが、荒々しい塗り方や黒と一緒に使用の際は苛立ち
•黄→自己アピールを表し、甘えたい愛されたい願望
•白→正義感があり、何事も神経質なほどに完璧
•緑→リラックスしている、またはしたい時、おだやかな状態
•水色→従順な気持ちでやさしい気持ちを表すが、ときには寂しさ
•青→集中力があり、自立心の芽生え
•紫→心の葛藤、感情の我慢
・虹色→社交性、コミュニケーションが活発な時、充実感あふれる
このような意味があるようです。
こどもたちのお絵かき帳や自分の顔を思い返してみると、4月や5月など進級したばかりの頃よりも、1年の中盤から後半にかけての方が、圧倒的に色彩が鮮やかで、絵に勢いや盛り上がりがあります。これは、もちろん子どもたちの成長というのが大前提ですが、それに加え、子どもたちたち同士、保育士との絆が深まってきたことで安定した日々を過ごし、様々な経験を通して自分に自信がついたことへの現れではないかと思います。
昨年度の3月に覗いてみたある女の子のお絵かき帳には、レインボー柄の髪の毛をした女の子が描かれていました。上記の表を見てみると、虹色は「社交性、コミュニケーションが活発な時、充実感溢れる」まさに、充実感溢れる日々を過ぎしてきたということに、1年の集大成のようなものを感じ嬉しくなりました。
もちろん、この表が全てというわけではなく、1番大切なことは、子どもたちがどんな様子でお絵かきしているかということだと思います。暗い色を使ったり、少し気になるものを描いたとしても、楽しそうに描いているならば、さほど心配はいらないと思います。そして、子どもたちの描いたものを評価するのではなく、それを受け入れ、子どもたちの心の様子を読み説く時に、参考にして頂けたらと思います。大人にも言えることだと思いますが、お絵かきだけではなく、選ぶ洋服の色からも、その日の気分がなんとなくみえてくるかもしれませんね。ぜひぜひ、色から見えてくる「心の声」を聞いてみて下さいね。
眞弓 知子