あひる組の子どもたちは、次々と2歳を迎え新しい成長の姿を見せています。みるみる成長していく姿を見るたびに、少し前の子どもたちの姿を思い出し、感動の連続の毎日です。そんな著しい成長を見せる子どもたちの姿のエピソードを、今回は紹介したいと思います。先日、園庭で遊んでいる際に、Aちゃんが履いている靴が新しくなっているのを見つけ、「Aちゃん、おくつ新しいね!」と話しかけました。すると、Aちゃんはにこにこの笑顔で「おばあちゃんに買ってもらったの!」とすごく嬉しそうに答えてくれたのです!Aちゃんが、誰かに何かをしてもらったと、はっきり言葉にして話したのを聞いたのは、初めてでした。実際にあったことを正確に言葉で伝えられるようになったこと、そして嬉しいという気持ちを言葉と共に相手に伝えられるようになったAちゃんの姿に、思わず「Aちゃん、そんなこともお話できるようになったんだね…!」と嬉しくて涙が出そうになりました。
最近他にも、何人もの子どもたちが、毎日「先生なにしてるのー?」「それなぁにー?」などと話しかけてくれるようになってきています。その都度丁寧に子どもに伝わるような返事をしているのですが、今までは子どもたちの反応から、質問してくるものの理解まではまだ難しいのだと感じていました。しかし、最近は自分なりに理解しようとしたり、少しずつ言っていることが伝わるようになってきています。そして、中には保育士が元気がない時に顔を覗き込んで来て、「だいじょうぶ?」と、相手を気遣う言葉まで言ってくれる子もいます。ただ言葉を真似て言ったりするのではなく、自分で考え相手を思いやる気持ちが育ってきているのだと感じています。
私たちは、子どもたちが言葉を話せる月齢ではない時から、その子の気持ちを受け止めつつ、相手に仕草や言葉を使ってやりとりをし、自分の気持ちを相手に伝えるのかを繰り返し伝えています。また、子どもたちが、何かを疑問に思い、保育士に問いかけてきた時や、どうしても一緒に遊んであげられない時は、私たちがどうしてその行動をしているのか、子どもに伝わるよう丁寧に話してきました。子どもたちが言葉を覚え、ただ真似て言うのではなく、自分の体験を自分なりの言葉にし、素直な気持ちと共に伝えられるようになるということは、このような保育士や大人の働きかけからその言葉の意味を理解し、自分から感情を言葉にして相手に伝えたいと思ったからこそ、育ってきた力だと思います。
一見当たり前のように見える成長ではありますが、子どもたち自身の中ではとても大きな心の成長の1つです。目に見えている成長は、子どもたちがそれぞれ自分なりに感じ、考えたものが表れているということを忘れずに、これからも子どもたちの心に寄り添えるようなあたたかい保育で、子どもたちの成長を見守っていきたいです。
落合みお