木月保育園のブログ「小さなもみじの物語」

『 自我の芽生え』(0歳児ひよこ組編)

2018.10.20

 運動会も終わり秋らしい気候になってきました。入園してから半年が過ぎ、ひよこ組のお友達は自我が目立ってきました。遊びや食事、着替えなどの様々な場面で子どもたちの自我の芽生えを感じます。
 遊びでは使いたいおもちゃを巡って、取り合いをする姿も見られます。ついこの間までは、取られたら取られっぱなし、取った子に「○○ちゃんが使ってるよ~」と声掛けをして、取られた子に保育士からおもちゃを返しても、お互いはポカーンとして、なんのことやらという様子でした。それが今では、取られた子は取った子の後を追ったり、取られそうになると、取られまいと必死におもちゃを守ります。取った子に「○○ちゃんが使ってるよ。返してあげてね」と言うと、どうぞとおもちゃを差し出したり、敢えて「私も使いたいーー」というような様子でこちらを見てきたり、声を出して反発をするお友達もいます。また、取ろうとする前に「かーしーてーとするんだよ」と声掛けをすると、「かして」と伝えられるお友達もいます。(ひよこ組のお友達は「かして」と言葉ではまだ言えないため、両手を3回ほど打ち合わせて、貸してのハンドサインをします。)
 このようなおもちゃの取り合いは、「これで遊びたい」という思いが強くなければ生まれません。もちろん、取り合い自体は良いことではありませんが、使いたいおもちゃを使えない時もあるということで、全てが自分の思いどおりになる訳でもないということを学ぶと思います。
 次に食事では数人ですが手づかみ食べから、「スプーンで食べたい」という気持ちが芽生えてきました。食事があまり進んでいないため、保育士が食べさせようとすると、自分で食べたい気持ちが強い子はスプーンを離してくれません。それだけ自分で食べたいという思いが強いのですね。
 また生活面でさらに自我を感じる場面は着替えです。Tシャツを着る時やズボンを履く時に、自分から腕や足を上げて着る子がほとんどです。その中でも最近は、ズボンを自分一人で履こうとする姿も見られるようになってきました。しかし、まだ1人では上手く履くことができないため、手伝おうと手を出すと「やー!」と怒られてしまいます。
 このように食事や着替えなどの生活面では、自分でやりたいという思いを強く感じます。もちろん1人では難しい、少し手伝いが必要なことがほとんどです。そのため大人が全てやってあげる方が早いですし、きれいに食べられたり、着替えもスムーズに済みます。しかし、それでは子どもは成長しません。子どもの「自分で」という思いを受け止めて見守る、少し手伝うことが大切です。そして何か一つでもできると、その経験が子どもの成長に繋がります。また、「できた!」という喜びや、それを褒めてあげることで、「もっと自分で!」と思い、自主性にも繋がるのです。
 急いでいる時や、忙しい時は大人がしてあげたくなることもよく分かりますが、できる限り、子どもの「自分で!」という思いを潰さず、見守ってあげてください。自分でできた時、子どもたちはとっても嬉しそうな顔をします。その笑顔を見守っていきましょう。

 

宇都宮 裕莉

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