子どもたちが楽しみにしていた運動会も終わり、あんなに暑かった毎日が嘘のように急に秋らしく涼しくなってきました。りす組さんは、運動会で成長したり、自信がついたようで、トイレトレーニングを頑張ったり、朝の会やお帰りの会で幼児組さんに負けないくらい元気に歌を歌っています。
そんなりす組さんでよく見かけるある遊びがあります。それは「ごっこ遊び」です。例えば、ブロックを両手に持ち、頭につけて「うさぎさんだよ」と言ってぴょんぴょん跳ねたり、妊娠中のお母さんが多いからか、キューピーの人形をTシャツの中に入れて、「今ね、赤ちゃんがいるの」とお腹の大きいお母さんになったり、おままごとで使用するボールを頭にかぶりヘルメットに見立てて「地震だよ!」と避難訓練の時の先生の真似をしたりと,様々なおもちゃを使用しながら、ごっこ遊びを行っています。
ある日、ブロックで遊んでいるAくんが、電話作り、「もしもしってやって~」と言ってきた為、「あ、もしもし?Aくん?」と話すと「もしもし~?も~う!△△ったら~!」と急に話し出しました。「Aくん、△△って誰?」と聞いても「え~?△△だよ~!」と言われるだけで、その場では誰なのかがわかりませんでした。夕方にAくんのお母さんにそのことを話すと「△△は夫の名前です」と驚いていました。Aくんは、お家でお母さんがお父さんにお話ししている様子をしっかり聞いて、電話をしているお母さんの真似をしたのでしょうね。
またある日のこと。急に絵本を持ち出し、Bちゃんはお友だちが遊んでいる前に立ち、「みー先生も座って」と言って前に座らせ、持ってきた絵本を広げ始めました。「何が始まるんだろう?」と様子を見ると、先生のように前に座っているお友だちに見やすいように絵本を読み始めました。まだ平仮名が読めないBちゃんですが、絵本のイラストを見て、お話を想像しながら読んでいるその立ち姿は先生そのもので、ページもとても上手にめくっていて、思わず最後には拍手をしてしましました。
さて、AくんとBちゃんがしていた「ごっこ遊び」の特徴の一つが「他者との関わり」があるということです。この「ごっこ遊び」で子どもたちはそれぞれの役になりきり、集団でふるまう中で社会性やコミュニケーション能力、言葉の力などを身につけることができると言われています。アメリカの研究者によると、ノーベル賞受賞者には幼児期にごっこ遊びを沢山していた人が多いのだそうです。きっとごっこ遊びで培われた様々な能力が想像力(創造力)を豊かにしていったのでしょうね。
園だけではなく、お父さんやお母さんと一緒にごっこ遊びを楽しんでいるという話はとてもよく聞きます。これからも、子どもの発想を妨げないよう見守りつつ、一緒に楽しみながら遊んでいきたいと思います。もしかしたら、木月保育園からノーベル賞受賞者が出るかも!?
田所未帆