最近のあひる組では、子どもたち同士でおままごとをしている姿が多く見られるようになりました。そのおままごととは、人形をおんぶや抱っこをしたり、テーブルの上にお皿を並べ、食べ物を出して食べたり、掛け布団を人形に敷いてトントン(午睡ができるよう優しく子どもを叩くこと)をしています。まるで、小さな保育士のようでいつも微笑ましく見ています。そのおままごとの中で、子どもたち同士の「○○をしてあげる」という言動が見られるようになりました。この「○○をしてあげる」エピソードを2つ紹介させていただきます。
1つ目は、朝おやつ、お昼ご飯、午後おやつと 食べる時は保育士がエプロンをしてあげていたのですが、最近になって子どもたち同士でエプロンを付けあっている姿が見られるようになりました。保育士に対して「やってー(エプロンつけて)」と言ってきてくれる子どももいるのですが、保育士から「エプロンつけよっか?」と聞くと「いい!」と拒否されてしまい、子ども同士でエプロンを付けあっている姿を見ると成長したなと実感する反面、嫌だと言われてしまうとちょっぴり悲しくなってしまいます。
2つ目は、子どもの遊びの中でおもちゃの貸し借りは日常茶飯事です。貸し借りでは自分が使いたいが、相手は今使っていて貸してもらえず泣いてしまうということがあります。ある日、このような状況になっていたAちゃん、部屋に響き渡るような泣き声の中、保育士が「使いたかったね」と気持ちを受け止めて慰めていると近くで様子を見ていたBちゃん。走ってどこかへ行ってしまいました。その後すぐ、まだ泣いているAちゃんに駆け寄り、「どうぞ」と本やお皿を持ってきてくれました。泣いている姿を見て何かしてあげなければと思ったのではないかと思います。
このようなことが日々の生活の中でたくさん見られるようになりました。子どもたちは保育園の中でたくさん子どもたち同士の関わりがあり、様々な感情を学んでいきます。おもちゃを取られて悔しい気持ち、悲しい気持ち、一緒に遊んで楽しい、嬉しい気持ち。自分も経験したことのある感情だから相手が今どんな気持ちか共感することができるということが基本になっている思いやり行動、すなわち「愛他行動」になります。
この「愛他行動」は大人になってからもとても大切になってきます。子どもたちの今後の未来を広げられるといっても過言ではないと思います。この思いやる気持ちを大切に保育を行なっていき、保育園とご家庭と一緒に見守っていきましょう。
河田 真帆