室内遊びでの10分ほどの出来事です。
移行により、ひよこ組の子ども達は皆あひる組となり、あひる組の子どもが4人は、順番に移行のため残っていました。遊びの様子として、ほとんどの子が、今は、一人一人好きな遊びをしている一人遊びの状態です。
あひる組のY君はペットボトルにカラーセロファンをいれた手作りのジュースのおもちゃで、飲む真似をして遊んでいました。そのすぐ近くにいたひよこ組のK君も食べ物のおもちゃを持って個々に遊んでいました。しばらくそれぞれ思い思いの遊びをしているとY君の持っているジュースが偶然丸テーブルの上にコロコロ~と転がり落ちました。その転がる様子が面白かったのかY君はケラケラと笑い始めました。たまたま近くにいたK君もつられて一緒に笑っていました。
その後2人の遊びはY君がジュースを転がしては2人で大笑いをする、というものになりました。勢いがよくジュースがテーブルから床に転がり落ちてしまうことがきっかけなったようで、いつの間にか、転がったジュースを先に見つけた方がジュースを転がすという遊びに発展していたのです。
この数分の出来事から、ごっこ遊びのように直接的に友達同士であそんでいなくても、物(ジュース)を介して遊びが広がり、その遊びを友達と共有していることがわかります。このように直接遊んでいなくても、同じ遊びをしている遊びにおける関りを平行遊びと言います。
遊びにおける子供の関りは以下のものがあります。
①傍観…他児をみているのみ
②一人遊び…一人だけで遊ぶ
③平行遊び…他児と同じ場所で、同じ遊びをしているが直接的な会話などは見られない
④連合遊び…他児と一緒に遊び、会話ややりとりが見られる
⑤共同遊び…目的があり一緒に遊ぶ(ルールのある遊びなど)
このように遊びと子ども同士の関りは成長とともに変化していきます。
そのため、ただ友達同士の関りのある遊びが大切というわけではなく、それぞれの遊びが成長に応じて遊びの段階として大切になるのです。そして乳児の遊びは保育士や大人が少し間にかかわることで遊びが広がっていきます。遊びや子ども同士の関りを広げられそうな時はそばに行き遊びを広げていきたいです。
ひよこ組 宇都宮 裕莉