木月保育園のブログ「小さなもみじの物語」

伝承~受け継がれていくもの~(3.4.5歳児幼児組編)

2019.03.02

2月4日より、りす組さんが全員揃った2歳3歳4歳クラスでの新生活がスタートし、ぞう組さんがいた時と少し雰囲気が違う新しい幼児組になりました。

そんな中、子どもたちの中で変わらず流行っている「けん玉」の練習姿をご紹介したいと思います。

けん玉道場と称し様々な技を級に分けてホールに貼り出し始めました。技ができるようになったら誰でも挑戦できるようになっているので園長先生をはじめ他の職員名も貼り出されています。自分の名前も貼り出したいと、級を取ることに夢中になり練習し始めたのがぞう組さんでした。技ができるようになったらみんなの前で技を披露します。チャンスは3回です。その中で1回でも成功すれば級がもらえ、けん玉道場に名前を貼り出してもらえるのです。できるようになったお友達の挑戦に固唾を飲んで見守る子ども達、できて大喜びをする子どもたちの姿が見られていました。

今まではあまりけん玉に興味を示していなかった、りす組さん、うさぎ組さん、きりん組さんでしたが、ぞう組さんがいなくなったとたん狙っていたかのようにけん玉練習をし始めました。特に夢中になっているのがうさぎ組のA君です。でもなかなかうまくいきません。始めたばかりなので、振り回すように動かすだけになってしまうのです。でもA君、諦めません。練習を毎日毎日繰り返していました。ある日A君、少しけん玉のできるようになってきたB君に「どうやったらできるの?」と聞きました。B君は「膝を使うといいよ」とアドバイスをしました。「膝??」「後は玉をしっかり見て…」などのアドバイスをA君は真剣に聞き、「こう?」「これはどう?」と何度もA君なりに考えて練習していたのです。A君とB君のやり取りはしばらく続いていました。でも、なかなかコツがつかめない様子なのですが、A君は諦めず、今も毎日けん玉の練習を続けています。そしてけん玉のできるようになったお友達が見せてくれるけん玉道場での披露をしっかり見つめています。けん玉を練習する数人の子ども達を見ていると、教えあう姿よりも「僕は〇級までできるようになったよ。今度は〇級に挑戦する。」「私も〇級ができるようになった。」と披露し合い、刺激し合っている感じにも見えます。言葉だけでなくお友達を見つめる目で、できるようになる力を得ようとしています。

 ここまで夢中になれるのは、これまでぞう組さんが作ってきたけん玉の流行りにあります。ぞう組さんが移行してしまいいなくなっても、ぞう組さんが作り出した流行りは今でも続いています。

 大人が教え込むのではなく、子どもたちの「楽しい」「すごい」が原動力となり、やり遂げたいという気持ちが自然と湧いてくる遊びの伝承をこれからの大切にしていきたいと思います。

                               幼児組 坂本 摩利

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