幼児組では、廃材遊びがとても盛り上がっています。一口に廃材といっても色々なものがあります。お菓子が入っていた箱やトイレットペーパーの芯、新聞紙に厚紙の切れ端など。おうちからいらなくなったものをたくさん持ってきていただき、幼児組はいつも子ども達が目を輝かせて選ぶたくさんの廃材で潤っています。以前から廃材を切ったり貼り付けたりして思い思いのものを作り上げ、見立て遊びをする姿はありましたが、今年度はさらに廃材遊びに火がつき、廃材遊びが大きな流行りとなりました。
新しく廃材を使って子どもが職員に手伝ってもらいながらあるものを作り始めると、それを最初に見た子が ぼくも作りたい!教えて!と吸い寄せられるかのように言ってきます。そこからはぼくも!わたしも!の嵐。職員に手伝ってもらったり、アドバイスをもらいながら作ったものを見て、年長児や物作りが得意な子が見よう見まねで同じものを作り始めます。そして後から来た子に教えたりします。教えてもらっても作ることが難しい子はお友達やお兄さんお姉さんが手伝ってくれることも。そうやってあっという間に廃材遊びのその日の流行ができます。さらには、そのアイデアにさらにアイデアを重ね、グレードアップしたものを作り出す子もいます。
以前、新聞紙とスズランテープでスカートを作ることが流行りました。スズランテープがウエストのゴムの役割を果たし、前でリボン結びをするとおしゃれなスカートに大変身。女の子たちはたちまちくるくるっと回って「可愛いでしょ」とみんなに見せてまわります。それをみていた男の子たち。ある男の子が女の子たちのスカートと同じものを作って肩からかけるようにして着だしました。そう、スカートがマントになったのです。それを見た他の男の子たちが一斉にマントを作りだしました。同じものでも遊び方は様々。こちらが予想をしないような楽しみ方を子どもたちはいつも見せてくれます。また、そこからスズランテープで髪飾りを作ったり、空き箱で変身ベルトをつくり腰に巻きつけてごっこ遊びが始まりました。ものづくりが得意な年長児がどんどんかっこよく、またかわいく変身していくのを見た年少児が羨ましそうに「作って〜」と寄ってきます。まだ自分たちではなかなか作れないものでかっこいいものを持っているお兄さんお姉さん。職員やお兄さんお姉さんに手伝ってもらいながらなんとか似たようなものを作り上げます。ですが、「もっとこうしたい」と不満げな様子を見せることもしばしば。しかし、そういった経験が「自分たちも大きくなったらもっと凄いものを作れるようになるかな」という期待を生むのです。こうして廃材遊びが幼児組全体で盛り上がっていきました。
こどもたちは色んな素材を楽しみ、見立てをしながらものを作り上げて行きます。そして実際に作ったものを使ってごっこ遊びが始まりまるのです。こどもたちは私たちが想像するより周りのことやものをよく見ていて、それをとても忠実に再現しようとするので、廃材で作ったものを見ても細かいところまで工夫している子がとても多くいます。また、ものを作る工程でこども同士の人間関係も育まれていきます。ものを作るのが得意な子がいて、教えてくれたりアイデアをくれる姿も増えてきました。 また、それが憧れの形成にもつながっていくのです。
本来、捨てられるだけの廃材がこどもたちの素敵な発想や工夫により その子だけの素敵な作品、表現物となっていくので、これからも思い思いにものをつくり、廃材遊びを楽しんでほしいと思います。
幼児組 佐々木 舞