保育園にあって幼稚園に無いものの一つとして、お昼寝(午睡)があります。乳児期では、お昼寝だけでなく仮眠なども行いながら園での生活を送っています。幼児組でも、もちろん毎日お昼寝の時間があるのですが、よく寝る子もいれば、あまり寝ない子もいます。
幼児組のA君はよくお昼寝をよくするのですが、寝付くまでに時間がかかってしまい、眠るまでに歌を歌ったり周りのお友達にちょっかいを出したりしてしまうため、他児が寝付くのを邪魔しないように声をかけています。そんな状況で職員からひと言「寝ないと大きくなれないよ~」と言われたA君。その言葉を聞いた瞬間、一生懸命、静かにして目をつぶっているのです。そして…いつの間にか眠ってしまいました。そんな姿ががほほえましく思っていた職員に、お昼寝明け「ね~ね~僕、大きくなったかな??」とA君。職員から「たくさん寝たから大きくなってるよ」と言われると、とてもうれしそうな笑顔をみせてくれたのでした。
ここでは職員からの「寝ないと大きくなれないよ」の一言についてお話したいと思います。睡眠には、レム睡眠とノンレム睡眠の深さを表したものがあります。これは夜の睡眠はもちろん、お昼寝にもあてはまるのだそうです。深いノンレム睡眠の時に成長ホルモンの分泌が盛んになります。ノンレム睡眠を増やすことで成長ホルモンの分泌を促進し、健全な精神・身体の育成につながっていくのです。よって、お昼寝をしないと多いくなれないという言葉には納得ができます。
また、生活スタイル夜型化して、睡眠時間か年々減少していることが明らかにされています。夜更かしの習慣は、大人だけでなく子どもにも見られ、乳幼児にもこの傾向は見られ、2歳児で夜10時を過ぎても眠らない子どもの割合が増えているそうです。
保育園生活において、適切な睡眠、規則正しい食事、適度な運動、休養など生活リズムを整えていくことで、子ども達の成長や発達を促すことができます。休日にはお昼寝をしない子も多いように感じますが、疲れをとるための睡眠ではなく心身ともに健康に子ども達が育つように大人が心がけて子ども達を育てていけたらと思います。
幼児組 蛭﨑 晶弘