木月保育園のブログ「小さなもみじの物語」

「テラスは遊びが広がる良い空間」2歳児りす組編

2019.08.12

今年も夏の暑い日がきました。子どもたちにとっては、カブトムシやクワガタなどの虫、プールなど楽しいことが盛りだくさんな時期です。そんな時期の出来事をお話ししたいと思います。

ある日、屋根があって涼しむことができるテラスを遊びのスペースで、子どもたちは自分の好きなキャラクターに変身し、ごっこ遊びを繰り広げ始めていました。近くで見守っていた職員にAくんが「先生!トンネルやって!」と言いました。それを聞きつけて周りにいた子どもたちも「先生!やってやって!」の連続です。子どもたちの言うトンネルとは、職員が足を広げて作る足のトンネルの事なのです。子ども達が保育士のトンネルを子どもがくぐるり始めると、足の間に続々と子どもたちが入り、大渋滞になってしまったのでした。そんな様子を見ていたからか、子ども自身も職員の目の前で足を広げてトンネルを作りはじめ、他のお友達が自分の作ったトンネルをくぐるのを待つようになったのです。それを見たBちゃんが「トンネルが続いてる!」と言いながらお友達の作ったトンネルをくぐり始めたのです。Bちゃんに続いて他の子どもたちも、子どもトンネルにもぐっていました。職員トンネルでは幅を狭くしたり、大きくしたり、楽しめるように工夫してみると、そばで見ていたCくんも同様に真似をしトンネルの大きさを変え始めたのです。面白かったようで楽しそうな笑い声が響いていました。いつの間にか子どもたち同士でそれを楽しんでおり、職員がいなくなったあともトンネルで遊び続けていました。

遊びの成長段階として、1.2歳で1人でブロックや絵本を読む1人遊びから、2.3歳になると同じ空間にいて同じ遊びを行いながら、子ども同士の関わりがなく、遊びが同一の遊びが並行して行われる並行遊び、3.4歳になると遊びの中で物の貸し借りが行われたりする、いわゆる「子ども同士で遊ぶ」連合遊び(集団遊び)が行われます。このように子どもは成長するに従い、遊び方も成長していきます。その基盤となっているのが、保育者との関わりです。保育者と関わり合いながら次第に他の子どもたちの間でも関わり合いを持ちます。1.2歳の時は1つのおもちゃで取り合いになり、自分の気持ちを貫き通すそうとします。相手の子どもも同じように自分の欲求を貫こうとします。そこでけんかが起こり、保育者が仲介して子どもたち同士の気持ちを代弁します。そこから子どもは他の子どもという存在や気持ちを理解し、関心が高まっていきます。そこから、感情をコントロールしたり、時には我慢したり、順番におもちゃを使ったりして、相手の気持ちに気付いたり、共感したり、一緒に行動して楽しいという気持ちを持って成長していきます。

今回のような真似っ子から始まる集団遊びをみて感じますが、1人の子どもと保育者との関わりから始まった遊びが、最後には子どもたち同士の世界になり集団で遊ぶ遊びに発展していました。集団遊びになるということは、成長していることの証です。これからも子どもたちが多く楽しく関われるように、集団遊びができるように環境を設定して、保育をしていきたいと思います。

りす組 河田 真帆

 

 

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