この日の給食は“ワカサギの唐揚げ”でした。
Aちゃんの隣で一緒に給食を食べていると、「あ、これ、前も食べたね」とAちゃんが話し始めました。「この前給食に出た時は、七夕の鳥のカササギにかけてワカサギが出たんだよね。」と続けて話してくれました。私はよく覚えている上色々とよく理解しているなぁと、とても感心してしまいました。
そんなことを思いながら一緒に給食を食べていると、Aちゃんの前に座っているBくんがワカサギの唐揚げを尻尾の方から食べるのをAちゃんが見ていて、「Bくんは足が速くなりたいんだね」と話しかけていました。「魚を頭から食べると頭が良くなって、尻尾から食べると足が速くなるんだよ」と教えてくれました。
私はまたまた、よく知ってるなぁと感心して、「それは誰に教えてもらったの?」とAちゃんに聞いてみると、「Cくんがお母さんに教えてもらった話を私が聞いていて、それを覚えていたんだ」と教えてくれました。
このやりとりから私は「食事にはこういう楽しみがあるのだな」と改めて気付かされました。
日本の食文化の中には、昔から食べられているものがあります。それは体にいいものだから、みんなに好まれているから、縁起がいいからと理由や由来が様々あります。その理由や由来を子どもたちにどれだけ伝え、楽しみながら食事を楽しめていたかと考えさせられました。
保育所保育指針の食育の推進にはこう書いてあります。“子どもが生活と遊びの中で、意欲をもって食に関わる体験を積み重ね、食べることを楽しみ、食事を楽しみ合う子どもに成長していくことを期待するものであること。”ただ食べるだけでなく、美味しく楽しく食べる事が出来るよう子どもたちとこれからも色々な食の知識を広げていきたいと思います。
幼児組 宮川 盾夫