木月保育園のブログ「小さなもみじの物語」

「赤ちゃんの秘密②」0歳児ひよこ組編

2020.06.22

 

家で過ごす時間が圧倒的に増えた今、私も世の中の流れに逆らうことなく、Netflixラバーになった。そんな中、数ある番組がある中「赤ちゃんを科学する」という番組に出会った。赤ちゃんは生まれてから1年間で何を学ぶのか。遺伝や環境の観点から、この疑問を解明する科学ドキュメンタリーだ。

その中で、「オキシトシン」という言葉に出会った。これは、別名「幸せホルモン」や「絆ホルモン」とも呼ばれているホルモンの1種だ。通常、妊娠中に母体のオキシトシンの値が上昇し、出産時にも高い値を保つ。オキシトシンの上昇により、脳の扁桃体が活性化され、開く。1度扁桃体が活性化されると、子どもが何歳になっても変わらない。これは何を意味するのかというと、警戒心が高まり、子どもを心配するようになる。

では、パパはどうかというと、両親ともに子育てした場合、とある統計では、ママの扁桃体の4分の1の値しか検出されなかった。これによってどんなことが起こるかというと、例えば夜中に、赤ちゃんが夜泣きをした場合、ママはすぐに気付き起きるが、パパは気付かず寝ている…こんな経験がなかろうか。

夫婦喧嘩のもとにもなってしまいそうなことだが、これは、まさしく扁桃体の違いによって起きてしまったことだと言っていいだろう。(でも頭で分かっていても、私なら1回ぶちぎれるかも…)

では、出産せずとしてママになった場合や、パパが中心となって子育てしなければならない状況になった時、ゲイカップルが子どもを迎えた場合は、どうなるかというと、面白い調査結果が出た。なんと、オキシトシンの量は、出産したママと変わらない値が出ることが分かった。これにより、もちろん扁桃体が活性化されることも分かった。

では、脳内にどんなことが起きたのかというと、懸命な子育てや、スキンシップを多くとることによって、オキシトシンの量が増えたというのだ。なので、パパの扁桃体をもうちょっと活性化させたい!という時には、スキンシップを沢山とるように勧めていけば、夜泣きに対応してくれる頼もしいパパに変身するかもしれない。

オキシトシンの分泌は、親だけではない。赤ちゃんたちも、親同様にスキンシップを重ねていくことによって、分泌される。赤ちゃんたちのオキシトシンの値が上昇するとどのようなことが起こるかというと、愛情や幸せを感じ情緒が安定し、社会的ストレスを感じにくくなったり、好奇心が強まったり、周囲の人を信頼できるようになったり、記憶力が活性化したりするようになる。反対に、オキシトシンの分泌が足りていない場合は、イライラしやすくなったり、疲れがとれにくくなったりする傾向がある。オキシトシンは短い抱っこでも分泌するし、見つめ合うだけでも双方に分泌されると言われている。

私たち保育士が、0歳児のひよこ組を覗いたり、ちょっとしたおむつ替えをするだけで癒しをもらい、赤ちゃんたちからなんとも言えない幸福感を感じさせてもらっていたのは、この「オキシトシン」によるものだったのだ。そして、脳は保育士(母親)に強い達成感を与え、もっと赤ちゃんと関わりたくなるという気持ちにさせていたことまで分かった。

無防備でこの世に生まれてきているように思う赤ちゃんだが、しっかり生きる術を身につけているところがなんとも面白い存在である。私たちが思ってる以上に、あざと可愛い存在なのでは?

これは冗談だが、今年も1年間小さな小さな手のひらで転がされようと思う。ひよこ組担任 眞弓 知子

 

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