りす組での生活も3か月が過ぎ、登園する子ども達も徐々に増えてきてクラスの雰囲気もにぎやかになってきました。最近のりす組では「楽しそうだな」「自分もやってみたいな」と少しずつ周りにいる子ども達や保育者が遊んでいる様子に気付き始めています。始めは1人の子がポツンと座って遊んでいるな~と思いしばらく見ていると、同じ玩具を持ってきて隣に座って真似をする姿が増えてきました。大人の目から見ると、友達と同じ遊びをしている姿を見て成長を感じる場面でもあります。実は大人の目には友達と遊んでいるように見えてもそばにいるだけで実は自分一人の遊びを楽しんでいる事の方が多いのです。
では…いつ頃から子ども達は周りの様子に気付くのでしょうか?
始めは自分の世界の中で楽しんでいる子ども達。自分がやってみたい事、自分だけが楽しむ世界を十分に体験する事で、次第に周囲の人の姿に少しずつ感心が向けられるようになります。この自分だけの世界を楽しむという事がとても大切です。自分はこれが好き、あそこに行ってみたいと自分の意思を伸ばす事が必要になってきます。周りの大人に見守られているという安心感も加わり少しずつ興味が外に向いてくるようです。よく少し離れた所から他の子ども達が遊んでいるのをじっくり見ている姿をみかけます。1人でいるけど、お友達と遊べていないのかな?と、大人から見ると感じる事もあると思います。しかし、この【そばで見ている】という姿からは「面白そうだな~」「何をしているのかな~」と興味をもって見ていたり刺激を受けている大切な時間なのです。周りの子ども達が遊んでいる様子を見て楽しそうだな~と感じたりするうちに自分以外の存在を知っていく事も子ども達にとっては大きな1歩なのです。
今、まさにりす組の子ども達はそのような時期を迎えているのかな?と感じています。これからも色々な場面で一人一人成長する姿を見せてくれるであろうりす組の子ども達。色々な事ができるようになったり、考えられるようになってくる中で、他の子ども達の成長も目に見えてくる時期でもあります。その中で、私達も大人もこれが出来ていないけど大丈夫かしら?こんな風になって欲しいのに…と悩む事も多くなってくるかと思います。子どもに取って自分自身が人生の物語の主人公です。周りにいる私達大人が、その子自身がどう感じているのか?どうしたいのか?という目の前の子どもの思いを大切にしゆったりとした目で見守っていく事でその子のペースで成長していけるよう支えていく事が大切だと感じています。
大人にもそれぞれの性格や個性、得意な事や苦手な事は様々です。子ども達も同じように個性があり、興味や関心も違います。その子らしさが輝き自分らしく自信を持って過ごせるよう目の前にいる子ども達の姿を見ながらキラキラと輝く主人公となれるようそっと支えていけたらと思います。りす組 中川 智香子