木月保育園のブログ「小さなもみじの物語」

「どうじょ!(どうぞ)」~子ども同士の思いやり~1歳児あひる組編

2020.07.20

この間今年度が始まったと思ったらもうすでに夏が来てしまいました。季節の流れが早く感じる今日この頃。子どもたちは夏の暑さにも負けず、元気いっぱいに園庭や室内でそれぞれの遊びを自分で見つけています。

園での活動の中のあるエピソードをお伝えしようと思います。

今年度が始まり、0歳児、1歳児クラスの部屋は隣同士なので、異年齢保育をしています。子どもは0歳児、1歳児部屋のどちらに行きたいか保育士に伝えてから好きなお部屋へ行っても良いという決まりになっています。ある日1歳児のお部屋に0歳のAくん、1歳児のBくんが向き合う形で座っていました。Bくんの手にはおままごとの魚とブロックで作った電車を持っていました。近くに来たAくんはまだ言葉で伝えることができないので、「あー!!」と言っていました。Aくんから行動から分析すると、Bくんの持っていた魚が欲しいようで「あー!!」と言いながら魚に近づいていました。それを見ていたBくん。じっとAくんを見つめて5秒ほど、、、BくんはAくんが自分の持っている魚欲しいということを理解したようで、そのまま「どうじょ!」(どうぞ!!)と言って貸してあげていました。Bくんには「今の姿を見ていたよ、えらいね」と理解してもらえるようにいっぱい褒めてあげました。そのあとのBくんの表情がとてもいい笑顔で微笑んでいました。このように異年齢保育には様々なメリットがあります。「人との関わり合い」「社会性や協調性」「お互いに思いやる気持ち」など成長していく基盤となることを身につけることができます。AくんとBくんの関わりとして、「お互いに思いやる気持ち」が当てはまります。年上の子ども(Bくん)は今まで年上のお兄さん、お姉さんにしてきてもらったことを自分の体験として自然に年下の子どもに対して行動できるようになっているのです。保育士が「小さいお友達だから優しくしてね」と言わなくても今回の場合、物の貸し借りなど間で起こるトラブルもなく、「どうぞ」と言って優しく接しているので理解しているのだと思います。また、Aくんは今回Bくんにされた経験で今後、他の子どもや年齢が小さい子どもにこのような行動を行うと思います。このように異年齢保育は年齢が違う子ども同士お互いに相互に深く関わることでいろいろな経験や体験をして学ぶことができます。これは人が成長する上で大切な基盤の1つだと思います。

異年齢が生活の中で深く関われるように見守ってこれからも保育をしていきたいと思います。あひる組 河田真帆

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