4月から新しいお友達が加わり4ヵ月がたちました。木月保育園にも慣れてきて職員との関係も少しずつ築けてきています。お部屋でも、おままごとのスプーンやコップを持って遊ぶ姿やボール落としに夢中になる姿、電話の玩具で電話の真似をする姿などが見られるようになりました。こんな様子をみて保護者からこんなコメントがよくきます。「保育園に慣れて泣かずに過ごしているんですね。良かったです。いつも一人で遊んで入るようなので、お友達と一緒に遊んでもらいたいですね」と。確かに保育園という集団の中に入ったのだから、是非ともお友達と遊んでもらいたいという気持ち。とても分かります。もちろん乳児期の関わりはとても大切で、様々な感性を構築していくうえでとても大切です。今回はその中の一つの遊び、「一人遊び」の大切さを伝えていきたいと思います。
まず、一人遊びができるということは、その子が保育園という空間や職員などに対して安心感が生まれてこそ行われるものなのです。そして一人で遊んでいるのはかわいそうというのは大人からの目線であり、子どもはとても集中して遊んでいることが多いのです。しゃべれない赤ちゃんでも脳内は良く動いていて思考力を高めていると言われ、とても大切な一人遊び。そのため集中して遊んでいる空間に、大人が入っていくのは良くないですよね。
一人遊びとは、気になる身近な人や身の回りの物に自ら近づき、それらにアプローチを掛けていきます。実際に触れることで素材や形などを知っていき、自分以外のものを知る様々な経験をすることができるのです。そして、もう一つ。一人遊びで大切なことは「見る」ことです。大人の動きや他児の様子をじーっとただ見ているといった姿があります。これは初めてのことや物の情報収集をしている時なのです。まずは見て知り、そこから少しずつ自分以外の大人や子どもとの模倣遊びを行っていくのです。このように自分だけで楽しむ世界から周りの世界へ少しずつ興味が持てるようになり次のステップの平行遊びへとつながっていくのです。
子どもの発達のほとんどのものには順序があります。一つひとつ子どもの動きには意味がありどの動きも大切にしていくことが必要です。大人は焦らずに子どもの様子をみながら働きかけをしていくことでのびのびと子どもたちが成長していくことができるのです。集団生活1年目のひよこ組さん、これからいろいろな経験を重ねていけるように見守っていきたいと思います。 ひよこ組 蛭﨑 晶弘