暑い日差しが降り注ぐなか、子どもたちの元気な声や笑い声が響く保育園。子どもたちは、日々、自分の好きな遊びや友だちと一緒に遊ぶことを楽しんでいます。様々なあそびをするなかで、先日、ある子どもたちの姿が見られました。
園庭で遊んでいた年長児・ぞう組の女の子たちが、『はないちもんめ』をし始めました。やる気満々のAちやんでしたが、途中「あれ?歌なんだっけ?」と首をかしげています。そこに近くで遊んでいたBちゃんが「私わかるよ!」と遊びに入りました。教えてもらった歌をあっという間に覚え、みんなで楽しんでいました。別の日では、『かごめかごめ』や『あぶくたった』をぞう組と年中児のきりん組さんも一緒になって遊んでいました。きりん組さんもなんとなくの記憶から真似して歌い、自分でこうしようと楽しんでいました。また、お手伝い保育で二歳児のりす組さんと一緒に『かごめかごめ』をする姿もありました。まだ何をしているのか分からないりす組さんが「ここに丸くなるんだよ」とやりやすいところを教えてもらい、その子の周りをぞう組さんが輪になってクルクル回っていました。りす組さんは1つの遊びを一緒に楽しむというよりは、おそらく言われたままに行い、クルクル回るぞう組さんを見て楽しんでいたのだと思います。まだ遊び自体は分かっていなくても、楽しいこととして記憶しているように感じました。
これらの遊びは『童遊び』『伝承遊び』『ふれあい遊び』と言うこともあります。誰もがなんとなく知っている遊びではないでしょうか。昔からあり、今もなお続いている遊びです。これらの遊びはルールが簡単で、歌も単調で覚えやすいです。子どもが集まり、簡単に始められる、一人ではできないけど、少ない人数から多くてもできる、途中から入るのも抜けるのもしやすい遊びです。ちょっとした時間に、パッとできるのは昔の生活ならではなのかもしれません。今年度、活動のなかではふれあい遊びはまだ行っていませんが、子どもたちのなかで経験したものを自らの遊びで楽しみ、楽しい経験のなかで次の子どもたちに引き継いでいます。こうして引き継いでいくことが、子どもたちの心の成長には一番の方法なのかもしれません。伝承遊びには、簡単だからこそ、そういったものが多く含まれているように思います。
今、新しい遊びの媒体が増え、また遊び場がなくなったり、核家族などにより他者との繋がりが昔に比べると希薄になってきています。そのなかで、保育園という様々な年齢、様々な個性を持つ子どもたちが集まる場はとても今の社会には大切な場だと感じています。また、人と触れ合う遊びは安心感と共に、対話や人との距離感をはかる力にも繋がります。
一人ひとりを大事に、そして集団から育まれるもの、そして受け継がれていくものを日々大切にしていきたいと思います。幼児組 坂本 摩利