木月保育園、りす組(2歳児)担任の小池です。今回は私が保育士をしておもしろい!と感じることの一つをご紹介します。それは「保育士は理論に基づく実践が日々できる」ことです。
先日、ある先輩の先生が「幼児組では帰りの会で今日の楽しかったことを子どもたちが発表によって”自分が楽しかったこと”を発表したり、”それはどうして楽しかったこと”を発表したり、”それはどうして楽しかったのか”深く掘り下げてたりしている」と言っていました。りす組ではまだ言葉で質問して発表することは難しい…。と感じ、そこで「りす組の子どもたちが今日の楽しかったことを言葉で伝えるためにはどうしたら?」と尋ねてみると「写真!(視覚)」と助言を頂きました。そこで、子どもたちの今日一日を「楽しかった!」と振り返られて、楽しかった経験を言葉で表現するきっかけとして、今日経験した活動や職員が面白いと感じたエピソードを写真にして子どもの見える場所に掲載してみました。題して「りす組の今日の一枚」
ある日の活動で枝豆の収穫をしました。そして、おやつに収穫した枝豆がでたので、枝豆を食べている写真を掲載してみました。すると、その様子のを見つけた子どもが…「おまめ食べたね」「枝豆つるんと落ちちゃったの」と、その写真を見てその様子を思い出すかのように、お話ししてくれました。またある時は、「しっぽ取りやったよね~」などと写真を見て教えてくれました。
このことから、子どもたちに写真(視覚)で経験したことを掲載することで、子どもはその写真を見て、自分の言葉でその様子を表現している姿が見られました。さらに面白いのが、子どもはその写真からそのあと何が起きたのかをよく覚えていて(枝豆が落ちちゃったの)写真に載っていないことも言葉で表現できる力がついてきていることが分かりました。そして何より、写真に小さく自分が載っていると、「ここにいる!」と教えてくれて嬉しそうな様子が見られました。
保育所保育指針の1歳以上3歳児未満児の保育に関わるねらい及び内容の「言葉」の項目に「経験したことや考えたことなどを自分で表現して(略)言葉に対する感覚や言葉で表現する力を養う」とあります。実践の逆引きになってしまいますが、この「りす組の今日の一枚」の実践は、保育指針の「言葉」の項目の部分を表現しています。さらに、人間が五感から得る情報の割合は、視覚が87%、聴覚が3、5%、触覚が1、5%、味覚が1%と言われています。大人で視覚から得る情報が87%なのですから、言葉での理解がまだ十分できない未就学児であれば「視覚情報」がより優位になりやすいと言われています。
このように子どもの”理論”的な情報を”実践”によって確かめていく。ねらい通りの反応であれば自分の自信にしていく。違った反応であれば自分の経験に加えていく。そんなことが日々できる保育士はとても楽しいです。
さて、明日はどんな様子を掲載しようかな~!! りす組 小池 達哉