年長児のSちゃんが先日の防災教室での振り返り用の防災教室便りをじーっと見ていました。
「ねー、ここに私が写ってるよ。ここにも。ここにも!」と話しかけてくれました。Sちゃんと一緒によーく見ると、小さな写真の中にSちゃんが確かに写っていました。写真と一緒に書いてあるその日どんなことをしたのかの文章をゆっくりながら読むSちゃん。また次の日、年中児のYちゃんも防災教室便りをじーっと見ていました。すると、「Y、この日いなかったんだよなー」と、4日分掲示してある中のYちゃんがお休みしていて知らない日の防災教室便りを見て、ポツリと呟きました。「へぇ〜、こんなことしたんだね」と続けて呟きながらその場を離れていくYちゃん。Sちゃんの姿より、振り返り用に掲示してある防災教室便りに自分の姿が写っているかというところから興味を持ち、防災教室便りを見ていたのだなと考えられました。しかし、Yちゃんの姿より、自分が映っているかどうかよりも、防災教室便りの中身、内容に興味を持って、お便りや掲示物を見ている事がわかりました。”この日はこんなことしたなぁ・・・”と振り返るきっかけとなっていました。
厚生労働省の”保育所等における保育の質の確保・向上に関する検討会”の(保育所保育の特色を踏まえて留意すべき事項) において、保育の過程や子どもの育ちの言語化・可視化を挙げている。
https://www.mhlw.go.jp/content/000647604.pdf
保育所保育は、乳幼児期の発達の特性に即して、子どもの主体性を尊重し、環境を通して行うことなどを特徴としている。保育士等は、一人一人の子どもの理解や育ちの見通しに基づいて、様々な意図や配慮をもって環境を構成し子どもに関わっているが、こうした過程やそこでの保育の目標・ねらいを、他者にも理解できるよう伝えるため言語化・可視化することが求められる。保育所 における生活の全体に子どもの育ちの多様な側面に関わる内容が含まれ、また様々な文脈が幾重にも連なりつつ一体的に展開されていくという保育の営みが持つ特徴を踏まえ て、その場面の状況とともに様々な時間軸や関係の中で保育の過程や子どもの姿を捉え、これらを現場の内外で広く共有していくための視点や方法が必要である。
現在、我が園では、キッズリーを活用して保育中の姿を写真を通して、保護者の方にお伝えしています。今後は子どもたちにも今回のような写真を活用したわかりやすい掲示物などで日々の振り返りが出来るような環境を提供していきたいと思っています。幼児組 宮川 盾夫