新しい年を迎えた1月、幼児組も新たな環境へと動き出しています。少しずつりす組の子どもたちが来て、ぞう組は幼児組からお別れする準備へと入りました。その中での子どもたちの育ちを紹介したいと思います。幼児組ではお当番というグループ活動があります。朝の会や給食で活躍するのですが、うさぎ組、きりん組、ぞう組みんなで行うものもあれば、ぞう組の子どもたちだけに任されているお仕事もあります。1月に入り、ぞう組の子どもたちには自分たちのしてきたことを、きりん組の子に教えるようお願いされ、きりん組の子どもたちは今まで憧れていたことができると張り切っています。朝のお仕事では、事務所と給食室にお当番は今日の人数の紙を渡しに行きます。給食室はぞう、きりん、うさぎの3人でいつも行っていたので、ぞう組がいなくてもきりん組ががんばってくれています。事務所は、ぞう組のみのため、今はきりん組とぞう組で一緒に行って教えてもらっています。ある朝、きりん組Aくんはまず人数表の紙の受け取りから戸惑うなか、ぞう組Bくんが教えようと傍に行くもののなんと声を掛けたらいいか戸惑っている様子でした。すると、近くにいた同じお当番グループのぞう組Cちゃんが『紙を先生からもらってね』『一緒にやる?』とAくんとBくんに教えながら聞いていました。Aくんは初めてのことで緊張してるようで、あってるか不安そうにすることもあるなか、Cちゃんに『あそこだよって言うんだよ』と耳打ちされたBくんが教えていました。そのあともCちゃんは2人の様子を見て、時に伝言ゲームのように、時に直接伝えるなど、状況を見ながら教えていました。
この『教える・教わる』というのが、実はなかなか難しかったりもします。ぞう組の子どもたちにとっては今まで行ってきた慣れたもので、自分がするのは簡単です。しかし、それを分かるように伝えるには?いざ、言葉にしようとすると、なかなか出てこない子もいました。『教える』というと、『教わる』側の見る、聞く、考えるなど成長を強く感じますが、同じくらい『教える』側も成長する機会でもあります。互いに言葉や行動を重ね合わせ、客観的に自身を見る力やどこまで手をだすか見守るか考える、また待つ力も必要です。これは大人と子どもの間でも同じですね。人が育つということは、そこに触れるすべての人の成長する機会でもあるのではないでしょうか。
幼児組 坂本 摩利