園庭で子どもたちが遊んでいる時でした。3歳児クラスのTくんが砂場ではないところで、プラスチックのケースに園庭の砂を集めて遊んでいました。Tくんはおもむろに、プラスチックのケースを持って立ち上がり、ケースを動かしていました。何をしているのかな?と思い、Tくんに近づいて行くと、Tくんは満面の笑みで「見て見て〜!!これすごいんだよ!」と教えてくれました。何がすごいのか…と一瞬、考えてみました。砂を入れたプラスチックのケースを右へ左へと傾けて遊んでいるTくんの姿を思い返してみると…
なるほど!これはすごい!さて、何がすごいのでしょうか?
答えは、Tくんはプラスチックのケースの中を滑っていく砂を音を聞いていたのでした。その音は…そう、「波の音」なのです。「波の音がするんだよ、これ!」と教えてくれたTくん。
保育所保育指針の「3歳以上児の保育に関するねらい及び内容」の「環境」の部分では、「周囲の様々な環境に好奇心や探究心をもって関わり、それらを生活に取り入れていこうとする力を養う」ことを保育に関するねらい及び内容としています。Tくんの今回の「波の音」の発見を保育者が一緒に喜び、楽しむことでTくんは自己肯定感を高め、次の発見に向かってまた元気に遊びの中から何かを発見していくことでしょう。これからも子どもの小さな発見に気付き、一緒に喜べる保育者としてありたいものです。幼児組 宮川盾夫