木月保育園のブログ「小さなもみじの物語」

「子どもの育ち」2歳児りす組編

2021.03.01

まだまだ寒い季節が続いていますが、段々と陽射しもやわらかくなり保育園にある早咲きの大島桜も咲き始めました。まだ寒かった頃の、少し前の子どもたちの様子からお伝えしたいと思います。移行が始まり、私は6人の2歳児子どもたちと1歳児の移行してきた子どもたちと過ごしていた時の事です。週の半ばを過ぎた頃、お昼寝明けに、2歳児のAちゃんが1歳児のBちゃんが眠っている横に近づいて、起きる時間だよといった雰囲気で顔を近づけていました。

 

 

 

 

 

 

起きたあとは、Bちゃんの着替えを手伝ってあげたり、おやつの時も隣の椅子に座って食べていたり、遊ぶ時にもずっと側にいて優しい眼差しで見守ってあげ、お世話をしているようでした。

 

 

 

 

 

 

Aちゃんは、早生まれでクラスの中では月齢は低いですが、異年齢で生活する中で何かしてあげたいという気持ちが芽生えたのだと感じました。このように、2歳児だけで生活している場面だけでは見られなかった姿は、異年齢の子どもたちと生活や遊びを共にする中から生まれた「育ち」ではないかと思います。異年齢保育とは、単にクラスを越えたグループをつくって活動する、ということではありません。「学び合い」「育ち合う」ためには生年月日などにとらわれず、ひとりひとりの発達をよく見極めて、どのような集団が最も適しているかを考え、環境を整えていくという事が重要になってきます。将来、子どもたちが大人になり社会に出ると、そこは異年齢の世界です。年齢別で仕事を進めていくという事はほとんどありません。子どもたちが大きく成長し職場で様々な年代や考え方の違う人々と協力したり、話し合ったりするなかで様々な経験をしていくでしょう。保育園は、小さな社会の役割を持ち合わせています。小さい子どもは大きい子どもをみて真似をしようとし意欲を高めていきます。大きな子どもは小さな子こどもに教えてあげたり、手助けをすることで、知識や経験をしっかりと積み重ねていきます。未就学期の乳幼児にとって月齢差はとても大きいものです。年齢別のクラス活動では、4月生まれと3月生まれの子どもが同じ活動をすることになりますが、まだハイハイをしている子どもと歩き始めた子ども、遠くまで歩いて行ける子ども、ことばを話し始める前のが子どもと、ことばを覚え始めた子どもなどなど、様々な発達を辿っている子どもたちにとって、同じように生活や遊びを共にするということはとても難しいことです。保育所保育指針でも、4月生まれから3月生まれの子どもを集めて同じ様に発達を援助するのではなく、子どもの発達に合わせ、ひとりひとりに沿った活動を行う事とされています。子どもたちを取り巻く環境は昔と今ではずいぶんと変わりました。地域の中でも人が集まる機会が少なくなり、子どもたちが人との関係を学ぶのは、親からだけといった環境が増えてきています。様々な年齢や考え方を持った子どもたちが過ごす保育園では、家庭や地域の中で育つことが少なくなってきた「人と関わる力」「育ち」を経験できるような機会を大切にしていきたいと思っています。

りす組 中川 智香子

 

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