梅雨入り前、紫陽花がそこかしこで綺麗に咲く時期となりました。お散歩でも、お花が咲いていると嬉しそうに指さしして教えてくれる子が増えてきました。さて、前回あひる組の様子については「伸びろ!運動能力!」をテーマにお伝えしました。あれから1か月がたち、子ども達は身体だけでなく心も成長していることが感じられる場面が増えてきました。なんとなくタイトルから予測がつく人もいますかね~
「ケンカするほど、なんとやら」
お友達の顔や名前を覚えたことで、子ども同士の遊ぶ姿にも変化がでてきて、「場所」「もの」「順番」の取り合いがお部屋のあちこちで盛んに繰り広げられています。ある日の出来事を紹介したいと思います。あひる組で「人気のダンボール」。その中に入る権利をめぐり、にらみ合いが始まっていました。A君の表情に気づいた保育士が2人の近くで様子を伺うことにしました。「A君入りたいの?」と声をかけると、『うん』と眉間にしわをよせるA君。箱に入っているBちゃんをみていました。Bちゃんはというと…取られまい!と言わんばかりに、A君と同じように眉間にしわを寄せています。保育士がA君に「『貸して!』ってきいてみたら?」と話すと、手振りを加えながら『か~し~て~』と声をかけました。一方、Bちゃんの様子を見てみると…【貸したくない!】と思っているのでしょう。いや~な顔をしています。保育士が「まだBちゃん使いたい??」と聞くと大きく頷きます。「じゃあ…『待っててね』って言おうか!」と伝えると『待っててね』と力いっぱいに声を出していました。A君はその返事になって納得がいかないようで、より眉間のしわを深くしていたので、A君には「まだ使いたいみたいだからもう少しまっていようか!」Bちゃんには「Bちゃん、A君も使いたいんだって~。おしまいの時にどうぞしてあげようね~」と、それぞれに話しました。少し時間が経ちましたが、Bちゃんがダンボールを引きずってきてA君に差し出してくれました。
嬉しそうにいそいそとダンボールに入るA君とそばで微笑むBちゃん。微笑ましい瞬間でした。
あひる組の年齢では、友達との関わりが増える一方、やり取りに必要な言葉がわからずに手で払いのけようとしたり、押したりなどの行動で感情で感情を伝えようとすることが出てきます。保育士はそんなやり取りを見守りなから、一人ひとりが【どんな気持ちなのか】【何を伝えたいのか】を汲み取り仲介し、泣いたり、笑ったり、怒ったりする子ども達に、その都度「嫌だったの?」「やりたくないの?」「そっかぁ~じゃあどうしようか??」等と話しかけています。子どもたちには身近な存在の大人に気持ちを受け止めてもらうことで、気持ちの切り替えや折り合いのつけ方を学んでほしいと思っています。泣いても怒ってもいいんです。一生懸命に何かを身に着けようと毎日過ごしている子どもたちの気持ちをしっかり受け止めながら見守っていきたいです。
1歳児。人生2年目。初めての人付き合い。将来誰かと関わり合い、助け合いながら生きていきための大切な力を身に着けるためにこれからも丁寧に関わっていきたいです。あひる組 小林 身佳子