先日、廃材遊びをしていた年長児のAちゃんに「トイレットペーパーの芯は柔らかいのに、ラップの芯はなんで硬いの?」と聞かれました。「なんでだろうね」と答え一緒に考えているとAちゃんもラップの芯を軽く叩きながら考えている様子でした。しばらくすると「ラップの芯は長いからかな」それとも「ラップを切る時に長くないと切れないのかな」などと色々と考えを教えてくれました。
日々子どもたちと過ごしていると様々な質問をされることはあるのですが「確かになんでだろう?」と思うことも多々あります。子どもってふと疑問に思ったことを聞いてきますよね。大人も知っていることは教えてあげなくてはと一生懸命説明しますが、子どもが「ふーん」なんてそっけない態度をしていると「興味がないなら聞かないでよ」言ってしまうこともあるのではないでしょうか。1〜2歳頃の「これ、何?」と名前を知りたがる「命名期」を終えると、次は「なぜなぜ期」。「なんで、空はあるの?」「どうして、リンゴは赤いの?」など1日中質問をするようになるので、心理学では「質問期」と呼びます。時期には個人差がありますが、2歳から6歳ぐらいまでによく見られる姿です。この時期は、行動範囲が広がり、周りのことも観察するようになっていきます。そのため、自分の身の回りのことや目にしたものなどに興味の対象が広がっていくのですが、知らないことが多いため、その都度「なんで、なんで?」「どうして?」と聞くのです。そして、知りたい気持ちが満たされることで、「もっと知りたい」「知ることって楽しい」と思うようになり、好奇心を伸ばすことにつながっていくのです。とは言え、「なんで?」「どうして?」を連発されると疲れてしまうこともありますよね。そんな時には、子どもと同じ気持ちや目線になっていっしょに考えましょう。正解を答えたり、先回りの説明をしたりするのではなく「なんで?」「どうして?」と聞いてきたら、「なんでかな?」「どうしてだと思う?」などと言い、まずは子どもの気持ちに寄り添ってあげることが大切です。子ども自身が調べたり、大人が一緒になって調べることで調べることの面白さを感じることが出来るのではないでしょうか。また、子ども自身が調べたことを大人が褒めることで、もっと知りたいと色々なことへの興味につながるきっかけづくりにもなり思考力の発達にも結び付いていくと思います。日々の子どもと過ごす時間の中で「子どもといっしょに考える」「わからないことはいっしょに調べる」といった、子どもの知りたい気持ちに寄り添って、好奇心や思考力を大事に育てていけるといいですね。幼児組 蛭﨑