木月保育園のブログ「小さなもみじの物語」

「共体験」2歳児りす組編

2022.07.04

もうすぐ7月ですね。すでに真夏のような暑いが続いていますが、子どもたちは元気いっぱいに過ごしています。今回は、そんな暑さも少し落ち着く夕方の園庭でのAくんと Bくんのお話をしたいと思います。おやつが終わり、夕方に1番に園庭に出るりす組。少しの間りす組でほぼ貸切状態になるため、みんな大好きな三輪車や手押し車を今だ!と言わんばかりに楽しんでいます。その日もAくんは大好きな三輪車に走っていき、楽しく園庭を走っていました。するとAくんの後ろからそっーと近づく影が…。その影の正体はBくんです。Bくんも三輪車に乗っていたのですが、後ろからそっーと近づき、しれっとAくんの乗っている三輪車に連結したのです。しかし、Aくんも何も言わずBくんを受け入れ、2人で走り始めました。私は”BくんはAくんに引っ張ってもらいたいのかな”と思っていました。が、よく見るとAくんの三輪車はペダルがついていますが、Bくんの三輪車にはペダルがついていません。Bくんはお腹を前のサドルに押し付けながら一生懸命歩き押していました。そしてAくんはというとほとんど漕がず涼しい顔。特に会話もやりとりもなく2人とも無表情のままずっーと園庭をぐるぐる走っているのです。

 

 

 

数分後、保育士が三輪車に乗って園庭に書いた三輪車コースを走り始めると、子どもたちはその保育士の後を三輪車で追いかけ始めました。AくんとBくんも例外ではありません。しかし、保育士が2人を追い抜いた時、Aくんが泣き始めました。どうやら保育士に抜かれたことが悔しかったようです。Aくんは足を止め三輪車が止まってしまったため保育士はどんどん遠ざかっていきます。その時!Bくんが「うーん」と言いながら後ろから一生懸命押し始めたのです。その声が聞こえたのかAくんは後ろを少し振り向いてからまた漕ぎ始めました。2人で力を合わせて保育士に追いつくことができると、Aくんが振り向き、2人でニコッと笑い合っていました。2人の世界観が溢れていた今回のエピソードですが、2人の間には1つも会話がありませんでした。しかし、一緒に三輪車を漕ぐという共体験し続けることで、いつの間にか、抜かされた保育士にまた追いついた時に喜びを共感し合う姿に、他との関わりの中で感じることのできる心地よさや喜びが見られたように感じました。2歳児はまだまだ他児との関わりの中で想いを伝えることが難しく、トラブルも見られる時期ではありますが、子どもたちの世界観を大事に見守りつつ、共感・共体験を通して人との関わりの楽しさを知っていってほしいと思います。りす組 松本

 

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