最近うさぎ組の男の子は、お兄さんたちの影響を受けブロック遊びや折り紙遊びに夢中です。初めは、お兄さんお姉さんや先生にこれ作って〜とお願いし、作ってもらったものでごっこ遊びを楽しんでいた子どもたちでしたが、最近では自分で想像力を膨らませ上手に組み立てて遊ぶ姿が見られるようになってきました。近くで見守っていると、「先生見て!自分で作った!」「見てー消防車!」などと誇らしげな子どもたち。作りたいものによって組み立て方が変わっていたり、作りたいものは同じでも子どもによって組み立て方が違って面白いなと感じる毎日です。
そんなある日のこと。その日もAくんは、お友だちとブロック遊びに熱中していました。時に、お友だちと同じパーツがほしくてぶつかりながらも思い通りの作品ができたAくん。「ママとパパにも見てもらうー!」と飾り棚に置きに行こうと持ち上げて歩いていたその時、、、がしゃん、、と時間をかけて作り上げた作品が崩れて壊れてしまったのです。思いのこもった作品が壊れてしまったAくん。悔しさのあまり、涙をポロポロと流していました。作り直そうと頑張るものの悔しさのあまり力が入ってしまい、バランスがうまく取れなかったり、くっつけようとしても他のところが崩れてしまったりとなかなかうまくいきませんでした。その様子を見たブロックが大得意な5歳児のBくん。Bくんは、「こうするとくずれるから、これをくっつけてこうすると崩れないんだよ。」と上手にアドバイスして直してくれました。今まで自分の思い通りにいかずに悩んでいたAくんは素直にB君の存在を受け入れると、B君が直してくれる姿を食い入るように見つめ、作り直してくれた作品を見て「ありがとう」とまた笑顔を浮かべていました。
この姿を見て、第一にブロックが壊れてしまって悔し涙を流すAくんの姿に驚いたと共に感動しました。「悔し涙」は、自己を成長させる涙です。他人のせいではないけれど、自分だって悪いわけではない。相手のせいではなく、自分に向き合わなければその悔しさは解決できません。ですが、そうした事を学ぶ体験が幼少期に出来ることは貴重な体験です。この経験をバネに大人になった時にこそ、悔し涙を拭いて立ち上がれるようになってほしいと思います。
そして、上手なフォローをしてくれたBくんの姿のように大人が介入しなくても自然と年下の子に教えてくれる姿は日常でも見られる姿です。本当に一日のいろんな場面において子ども同士でお互いに助けあう姿が多く見られ、年齢を超えて関わる子どもたちの姿がとても微笑ましく見られます。何より年下の子どもたちにとって年上の子どもたちは憧れの存在でもあります。逆に、年上の子どもたちは年下の子どもたちよりお兄さん、お姉さんだと自負もあり、負けたくないといろんなことに対してやる気になるのです。相互にいい刺激を受けながら、これからも沢山成長していってほしいと思います。幼児組 辻