木月保育園の幼児組では、季節ごとに制作を行っています。幼児組は、3歳児・4歳児・5歳児の子どもたちそれぞれ年齢の違う子どもたちが一緒に過ごしています。他の活動もそうですが、制作をする際にもクラス毎に行うという事はほとんどありません。発達や興味に応じて、同じ手法や題材を用いて何種類か、難易度を変えて行えるようにしています。今回は七五三さんの制作で切り紙を行いました。切るまでは、どの手法も同じ折り方に設定しました。その後は、花の型を使って形を作る・自分で考えながら形を作るという2つの手法を説明しました。3歳児のAちゃんは、折った後に「自分で切りたい」と言ってきて、少し難しめの切り方で自分で形を想像し考えながら切るという物を選んでいました。いざ切ってみると、なかなか思うようにはいかずに細かく切れてしまいました。しばらく表情や様子を見ながら「型を書いて切ってみる?」と聞くと頷き、切る線を書いて渡すと、はさみで切り始めて折り紙を開き「できた!」とさっきとはうって変わり嬉しそうな表情を見せてくれました。
大人から見ると難しいだろうと思う選択も、実際に自分で経験することで自分の力を知る機会にもなります。また、5才児のB君は説明を聞くと沢山の切込みを入れ始めて「見て」と幾何学模様のような複雑な形になった折り紙を見せてくれました。周りにいた職員にも「Bくん、素敵だね」など声を掛けられると「もう一個作る」と次々切り始めていました。自分でも、思ったような複雑な形の切り紙が完成した事に自信を持ったようで1時間ほど集中して取り組んで、側を通る職員に作った切り紙を見せていました。普段の制作の難易度には、簡単・やや難しい・難しい物があり、その中から自分で選ぶ事が出来るようになっていて、自主性を持って行えるようにしています。異年齢で過ごすことで、自分の興味関心や発達に応じて選ぶことが出来るという事は子どもたちにとって様々な事を学んだり自分で出来たという経験をしているのだと感じました。中川