今年のカレンダーも残り1枚となってしまいました。1年はあっという間ですね。先日、2歳児クラスりす組にお手伝いに入った日のことです。園庭で遊んでいると、子ども達が三輪車の前輪を、別の後輪に乗せて連結を始めました。(あら!りす組さんも出来る様になったのね!)と内心わくわくする私。幼児組の子ども達が、よく三輪車を繋げて遊んでいるのですが、それをよく見ていて真似たのでしょう。子ども達だけで仲間と力を合わせ連結させていきます。2歳児ながらも、大人の力を借りずにともだちとの協力が出来るなんて素晴らしいです!更に4台まで繋げて4人で走り出します。しばらく転ばないように見守っていましたが、子ども達は歓声を上げて、仲良く楽しそうです。ところが!少しすると、連結した三輪車が停車し、なんだか不穏な空気…。近くまで寄って見ていると、ずーっと先頭車両に乗っていたAちゃんに、「わたしも一番になりたい!」とBちゃんが話した様子。でも一番は譲れないAちゃん。一緒に遊んでいた他2人も、それを心配そうに見つめています。担任の先生が仲介に入りますが、話は並行線…。待ち疲れて一緒に遊んでいたC君は砂場に遊びに行ってしまい、D君はそれでも三輪車が動き出すのを待っています。子どもながらも三者三様です。しばらくして、ようやく三輪車が動き出した時には、Bちゃんが先頭、D君や他の子が続きます。Aちゃんは、別の三輪車に乗って遊び始めましたが、また後から連結した三輪車の空いた車両に乗り、仲良く遊んでいました。このエピソードを見ていて、ちゃんと今年度の2歳児(りす組)も社会性が育ってきている!イイね!と感じました。
木月保育園では、0歳と1歳・幼児3クラスは異年齢保育をしていますが、あえて2歳児(りす組)は例外的に単独で保育をしています。2歳児は生活の自立が完成し、個性の発達へと向かい始める大切な準備期間であると共に、みんなで一緒にいること、やることの楽しさをじっくり味わい、一方では、待つ、順番を守る、我慢するなど、耐性を身につける経験を重ねることで、人と関わる力=社会性の基礎を育てる時期だからです。社会性の基礎と言う点では、先程のエピソードのように、仲間意識が芽生え、友だちと「いっしょ」「おなじ」ということを喜びますが、まだまだイヤイヤ期を抜けたとは言え、自己コントロールは上手に出来ないので、それぞれの自己主張が激しく表れる時期でもあります。今回のエピソードでも、AちゃんとBちゃんは、なかなか折り合いはつきませんでしたが、それは悪いことではないと思います。友だちとぶつかりあう経験をたくさんする中で、保育者が仲介する時に相手の気持ちを代弁して他者の視点を知らせていくことで、折り合いをつけることができたり、自分が満足することができた時は相手に譲ることも出来るようになります。自分の思いが通らなくて、泣いたり怒ったりすることもまだまだありますが、たくさんの経験をして、社会性が育っていくのです。1月からは、移行と言って2歳児クラスの子ども達も幼児の異年齢保育の中に少しずつ飛び込んでいきます。楽しみ・不安な気持ち等あると思いますが、たくさんの色々な経験をして、更に社会性が伸びて逞しく育っていくのだろうな!と今から楽しみです。フリー 中澤