木月保育園のブログ「小さなもみじの物語」

「イヤイヤ物語(Aちゃん編)」1歳児あひる組編

2023.01.16

1歳児クラス(あひる組)ではいわゆる「イヤイヤ期」が盛り上がりを見せています。あっちで「イヤー!」こっちで「ヤダー!」が聞こえてくるこの頃。保育士も場面によって本人が納得出来るような言葉を考え、選び、話しをしています。今日は冬になりふと感じたAちゃんの成長のお話です。Aちゃんは4月から入園した茶目っ気たっぷりの女の子です。4月生まれで入園してすぐの頃も色んなことがわかり、保育士の様子をうかがってはニヤリと笑い棚の上に登っていたずらな一面を見せていました。これだけ保育士の表情や状況を読み取れるAちゃんですから、自分の気持ちもちゃんとわかり、とてもはっきりと主張していました。特にAちゃんの意思が強かったのは洋服に対してでした。お気に入りのキティちゃんが描かれたTシャツでないとわかった途端に転げて泣いたり、怒って洋服を脱ぐまいとお支度コーナー中を走って逃げてしまうほどでした。あれば着せてあげたいと思うのですが、ない時もあります。保育士の心のなかにも「これじゃないと嫌だ」と泣いて怒って主張するのを受け入れるだけでいいのだろうか?思い通りにいかない時に気持ちを切り替えられるように話しをしたり、別のモノや別のことにも魅力を感じられるような働きかけをした方がいいのか?と、何がAちゃんのこの時期のこの姿に1番いい対応なのかたくさん考え、たくさん試してみました。しばらくは泣いて怒ってるAちゃんに話しをしてみたり、少し距離を取り見守ることで自分で落ち着けるのか様子を見たり、担任だけでなく多くの職員がそれぞれが思うAちゃんのための対応を試行錯誤していました。そうこうしているうちに時は経ち、秋になる頃には「Aちゃんそういえば最近お着替えで怒らなくなったね」と担任の間で話題があがりました。今回の洋服のイヤイヤは「これをしたらよかった!」という明確なターニングポイントはなかったのです。しかし、毎日を過ごすなかで、お昼寝からすっきり起きれた日、笑顔で行ってらっしゃいができた日、外遊びからニコニコで入室できた時、苦手そうにしていたおかずを1口試して食べられるようになった時、もしかしたらAちゃんにとってはちょっとしたことかもしれませんが、自分で気持ちをいい方向に向けようとするAちゃんの姿にとっても嬉しく思ったことがたくさんあったのを覚えています。本人にもその嬉しい気持ちが伝わったらいいなぁと思い、当時は大喜びしては照れさせてしまっていました。「どうしてあげたらいいのだろう」と悩みながらもイヤイヤをしているその時だけの姿にとらわれず、他の場面で嬉しかったことをたくさん見つけているうちに成長していったのかなぁと今は思います。2023年1月現在のAちゃんはというと、まだまだ気持ちが乗らないことも多いですが、「○○してね〜♪」と声をかけると「はーい」とお返事をしてくれたり、しばらくしてから自分で気持ちを切り替えてみんなの輪の中に戻ってくる時も増えてきました。大人も子どもも、ひとりひとりがそれぞれの大変さを抱えながら常に成長しています。

 

 

 

家族となると毎日一緒にいて、嬉しい楽しいだけではない場面もあるかと思います。イヤイヤする子にまいってしまう時も、「この子のために」と考える時も、すべてに愛情があるのが保護者の方々とお話ししていると伝わってきます。自分の中にある愛情が、思うように外に出ていかずにくすぶってしまう時には、かわりに「ふぅー」と息を吐いて、いったん空っぽにしてみるのもいいかもしれませんね。また新たに心の中に生まれてくる愛情で子どもたちの成長を信じていきましょう。私も相手を思うという愛情を心に持ち続けることを大切にして子どもたちの成長を感じていきたいと思います。あひる組 小林

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