木月保育園のブログ「小さなもみじの物語」

「こころもちにひきつけられて」2歳児りす組編

2023.01.13

 

 

 

塗り絵遊びをしていたAちゃんの、その後の様子の写真。自分で塗った塗り絵を何やら破り始めます。(面白いことしているなぁ)紙の両端を真っ直ぐに破り、破いたものを結び始めましたよ。一生懸命に真剣な表情で結びます。そして、結び終えるとこちらを見て「たつや先生!写真撮って!」と満足そうな顔を浮かべ記念撮影をお願いしてきました「Aちゃんは何を作ったの?」そう聞くと、「プレゼント!」とのこと。(なるほどリボンの部分を作ったのね)

 

 

 

 

なんとも面白いこの場面。我ながらAちゃんの行動を止めずに見守れてよかったなと振り返りました。こんな素敵な場面で出会えて本当に幸運ですね。子どもがいたずらをしている。その一生懸命さに引きつけられて、止めるのを忘れている人。気がついて止めてみたが、またすぐ始めた。そんな面白いのか、なるほど、子どもとしてはさぞ面白いだろうと、織らず織らず引きつけられて、ほほえみながら、叱るのをも忘れている人。実際的には直ぐに止めなければ困る。教育的には素より叱らなければためにならぬ。しかも、それよりも先ず、取り敢えず、子どもの今、その今の心もちに引きつけられる人である。それでは教育になるまい。しかし、教育の前に、先ず子どもに引きつけられてこそ、子どもに即くというものである。子どもにとってうれしい人とは、こういう先生をいうのであろう。側から見ていてもうれしい光景である。

『育ての心(上)』「ひきつけられて」 倉橋惣三

これは日本の保育の父、倉橋惣三の著書『育ての心(上)』の言葉です。子どもにとっていたずらは、心が動きまくっているほど面白い瞬間なのだろうと思います。いたずら(行動)を止めるだけが全てではないとこの著書から学びました。これからも、子どものこころもちに引きつけられる人でありたいと思っています。りす組 小池

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