爽やかな陽気で気持ちがいい季節となり、毎日虫探しに奮闘している子どもたち。誰かが虫を見つけ喜びの声が聞こえると、たちまち年齢の垣根を超えてあちらこちらから子どもたちが群がっていく姿は日々微笑ましく思います!そんなある日の園庭遊びでのことです。Aちゃんは、園庭で拾った実を握りしめ私のところに駆け寄ってきました。そして、「先生!これ実!見て!あそこで見つけたの!これ埋めてみる!」と訴えてきました。
話を聞いてみると、Aちゃんは園庭で何らかの実のようなものを見つけ、土に植えて育ててみたい!という気持ちを抱いたようです。私はAちゃんの話を受け入れ、まずはどこに植えるかを一緒に考えていきました。Aちゃんは園庭の砂の上を掘ってみたり、木の近くを見てみたりときちんと自分で考えた上でここにしよう!と園庭の畑の隅を指差しました。私は賛同し、一緒に土を掘り種を植えていきました。種を植え終え、「芽が出てくるといいね。」と話をしていると、Aちゃんから「お水!お水をあげないといけないよ!」という言葉が出てきました。
植えて満足かと思っていた私はびっくり!ジョウロを渡すと、嬉しそうに水をあげ大きくなるかな!?と希望に満ちたとてもいい笑顔を浮かべていました。その後数日、きちんと水をあげ続けたAちゃん。なんと、園庭で拾った実だけではなく、新たに給食のデザートで出たみかんの種もすぐ横に植えて育て始めました!そんなAちゃんの姿を見て仲良しのお友だちも一緒になって水やりを楽しんでいます!私もこれからどう発展していくのか、近くで見守っていくのが楽しみです。Aちゃんのように、子どもは日常生活のふとしたところでいろんなものを見つけ興味関心を持ちます。大人にとっては当たり前のことでも、子どもにとってはさまざまなことが不思議に感じられたり、疑問を抱いたりするものですよね。こうした好奇心は、意欲を持って積極的に学び行動する原動力になります。生きるためのビタミンなどともいわれ、生きがいや生きる原動力にも大きく影響する大切な力とも言われています。物事の原因や理由を不思議がり、なんで?どうして?どうなるの?という質問が増える幼児期に知的好奇心を伸ばしてあげたいですよね。ここで、著書に書かれていた知的好奇心を伸ばす際に注意したい3つのポイントを紹介します。
・子どものやりたいことを制限しない
子どもが何かに熱中している時は、危険がない限り自由にさせてあげましょう。子どもの行動を制限したり、大人の意見を押しつけたりすることで、子どもの好奇心がそがれてしまう可能性があります。自分の力でやり遂げる経験をたくさんして達成感を味わうことで、自主性も伸ばしましょう。
・答えを教えない
答えが簡単に与えられてしまうと、その場で満足して終わってしまい、興味を失ったり忘れてしまったりすることがあります。大人は答えを教えるのではなく、調べる場所や方法を教え、疑問は子ども自身で解決できるようサポートすることを心掛けましょう。
・リラックスできる環境をつくる
時間がないと焦ったり、空気がピリピリしていたりする環境にあっては、好きなものが目の前にあっても楽しむことができません。少しの時間だけでも、お子さんがゆっくりじっくり物事に没頭できるリラックスできる環境づくりを大切にしてみてください。
知的好奇心を伸ばすためのアイデアを紹介させてもらいましたが、忙しい日々の中で全てを行おうと無理する必要はないと思います。少しずつできるものから取り入れてみてください!一緒に子どもの知的好奇心を伸ばしていけたら嬉しいです!幼児組 辻